毎年5月31日は世界禁煙デーだが、日本では、近年たばこの価格高騰に加えて禁煙・分煙が盛んに推奨されているのを受けて、禁煙することにした人も多いかもしれない。ここ数年で健康増進法の改正により、レストランでもオフィスでもほとんどで喫煙室の設置が義務付けられるようになった。喫煙大国として知られる中国でも、喫煙者は徐々に締め付けられているようだ。

 中国疾病予防センターの調査によると、2018年の中国の成人全体の喫煙率は、26.6%であり、そのうち男性が50.5%、女性が2.1%の内訳となった。中国日報が5月30日に伝えている。2018年の日本の成人全体の喫煙率が17.8%で、男女別では男性が29.4%、女性は7.2%であることを考えると、中国男性は非常に高い喫煙率である。

 また、中国では非喫煙者の受動喫煙の経験は68.1%であり、オフィス内で喫煙している人を見かけたことがある割合は50.9%にも上る。中国では「健康中国2030」が実施され、15歳以上の喫煙率を20%以下に抑える運動が進んでいる。公共施設の屋内などで「禁煙」を掲げる施設が徐々に増えた。職場での全面禁煙の導入率は90.9%に高まり、病院(97.1%)、小中学校(96.7%)、公共交通機関(96.1%)などで全面禁煙が当たり前になってきた。

 日本と比べて格段に喫煙率が高いのはどうしてだろうか。記事では、喫煙の健康への悪影響について国民の理解は進んでいるものの、「低タールは低害と同じではない」という低タール紙巻きタバコの健康への害を正しく理解している人は18.1%にとどまり、この比率は2015年と比べて低下していると指摘している。また、理由の1つに、喫煙所が設けられておらず事実上どこでも喫煙できてしまうこともあるだろう。中国在住の筆者は、バス停でタバコを吸う人や、歩きたばこをしている人の煙に咳き込むことがよくある。

 もう一つ考えられる原因は価格である。日本のたばこの平均価格は一箱約450円ほどだが、中国の場合は100円から150円ほどで買えてしまう。これは、中国たばこの税率が日本の40%ほどで安いことが関係しているのだろう。

 同調査では分煙意識に改善がみられるようになってきたとはいえ、まだはっきりとした状況の改善はまだ見られていないとある。非喫煙者にとっては禁煙または分煙の推進は朗報だが、喫煙者にとってはさらに肩身が狭くなることにもなる。政策、また、世論により喫煙者への包囲網が狭められている日本だが、中国でもその包囲網が狭められるようになるには、もうしばらく時間がかかりそうだ。(イメージ写真提供:123RF)