米国と中国の貿易摩擦が激化し、米国側は中国製品に対する関税率の大幅引き上げや、大手通信機器メーカーであるファーウェイに対する規制を強化する方針を打ち出した。また、米国は中国製の小型無人機(ドローン)や監視カメラに対しても危機感を抱いていることを明らかにしている。

 エスカレートの一途を辿る米中貿易戦争について、中国メディアの今日頭条は24日、中国には米国による圧力に対して「切り札がある」と主張する記事を掲載した。

 記事は、現在の米中による貿易戦争は「中国の科学技術の急激な進歩に、米国が危機感を抱いたため」との見方を示す一方、「中国側は少しも脅威を感じてはいない」と主張し、なぜなら、「中国にはレアアースという切り札があるためだ」と主張した。レアアースが中国にとっての切り札になる理由は、現在までに確認されているレアアースの埋蔵量が圧倒的な世界一で、生産量も世界全体の7割を占めるという「独占的な地位」にあるようだ。

 続けて、レアアースは現代のあらゆる産業を支える、必要不可欠な資源だと指摘。たとえば需要が高まる電気自動車の電池やモーター、医療機器ではCTスキャナー、通信技術では光ファイバー、また身近なところでは家電のLED電球や蛍光灯、プラズマディスプレイなどその使用範囲は広く、「現代人の生活には欠かせない資源となっている」ゆえに、中国が生産し、世界中に輸出しているレアアースは強力な切り札となるのだと主張した。

 中国にとってレアアースが切り札になるカードであるのは間違いないが、中国が過去にレアアースの禁輸を行って、しっぺ返しを食らったことは記憶に新しい。中国は2010年、日本との尖閣諸島問題がエスカレートした際にレアアースの実質的な禁輸を行った。当時の日本や米国はレアアースの調達を中国に依存していたが、禁輸措置を受けて調達先の多元化やレアアースの代替材料の開発を進めた。そのため、現在の中国が再びレアアースを米中貿易戦争の切り札としようとしても、中国にとって大きな効果が見込めるかどうかは疑問と言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)