中国は日本に30年遅れて、急速な高齢化が進みつつある。中国が抱える問題は、「未富先老」(富裕になる前に老いる)ともいわれ、発展の道半ばで高齢社会を迎えること。2050年には5億人の高齢者を抱えるようになるといわれ、中国が今後負担しなければならない社会保障費は日本の比ではない。高齢対策で「日本に学べ」という声もあるが、中国メディアが取り上げたのは、逆に「学ぶのを避けてほしい」といえるものだ。

 中国メディア・今日頭条は24日、「日本の老人が刑務所に死に場所を求めている!」という記事を掲載した。凶悪な犯罪が少なく安全で、落とした財布が戻ってくるモラルの国である日本において、不思議な現象が生じていると伝えている。

 記事は、65歳以上の高齢者による犯罪の増加を取り上げている。最高齢は91歳だという。日本の65歳特有の現象として熟年離婚を挙げ、退職金を含めて財産を妻と折半した結果、生活が困窮し、犯罪の道を選んでいるようだと分析。安定した仕事や家庭があった退職前には、犯罪に手を染めることはなかったものの、妻に去られ、収入も激減した後、残された行き場所は刑務所しかなかったと述べている。

 もうひとつの側面として記事が注目しているのは、安定した収入も衣食住の保障もない高齢者にとって、最低限であろうとも住む場所にもご飯にも困らず、病気になれば看病をしてくれる人もいる刑務所の方が快適だという点だ。

 そのため、出所した高齢者は再犯を繰り返しては刑務所に舞い戻ってくるという。泣くに泣けず、笑うに笑えない状況が日本では起きており、刑務官は高齢者のお世話をするヘルパーになっているのが現状だと記事は指摘した。この記事の指摘は、法務省の「犯罪白書(平成30年版)」でも裏付けられる。同白書では「刑法犯検挙人員に占める高齢者の比率は、平成10年の4.2%から29年の21.5%へと上昇。高齢出所受刑者の2年以内再入率は非高齢者と比べて高い」と、高齢犯罪者への対応が日本の課題になっているとしている。

 記事では、受刑者一人当たり年間20万円近くの費用を国が出していると説明。「懲役二年である万引きをすれば国は40万円をかけて刑務所で介護をしてくれる」とし、刑務所で老後を迎えることが、彼ら高齢者にとって幸せなことであると締めくくっている。

 記事では日本の高齢者による犯罪を取り上げているが、高齢化で日本を追いかけている中国も、低所得・独居の高齢者問題は決して他人事ではない。適齢期に結婚できない若い男性にあふれている中国では、より深刻な問題といえそうだ。生活に困った高齢者が、軽犯罪を起こして、刑務所を避難所替わりに使い始めると、そこに必要となる費用は日本とは比べ物にならない莫大な金額になるだろう。(イメージ写真提供:123RF)