中国メディア・新華網は26日、「技術革新を続けることで生存を続けてきた日本の小企業」として、和歌山県にある人工毛皮メーカーを紹介する記事を掲載した。

 記事は、和歌山県の高野山のふもとに岡田織物という有名な小企業があり、従業員がわずか4人にもかかわらず数百種類の人工毛皮を生産し、シャネルやルイヴィトン、グッチといった世界のファッションをリードする高級ブランドのサプライヤーにもなっていると紹介した。

 そのうえで、同社がある高野口町一帯は江戸末期より紡績産業が盛んだったものの、価格競争力の低下と産業の海外移転により衰退の一途をたどり、同社も1991年に深刻な経営難に陥ったとした。そして、この年に社長に就任した現社長の岡田次弘氏が、イノベーションと品質向上により会社のピンチを救ったと伝えている。

 記事は、岡田氏がまず人工毛皮の毛について毛根から毛先まで太さが均一で質感が悪い問題の解決に着手し、繊維企業の協力を得ながら試行錯誤を繰り返し、ついにしっかりとした毛根と繊細な毛先を持つ、より本物に近い毛皮の質感を実現したと紹介。また、同時に抱えていた、裁断中に毛が傷つき抜け落ちてしまう問題も、紡績機械メーカーと共同で新たな裁断機を開発して克服したと説明した。

 さらに、需要が冷え込むなかで繊維の改良や裁断セクションの技術革新に加え、光で発熱する毛皮や、軽量ながらボリュームのあるキツネを模した毛皮などの新製品を開発して特許を取得するなどの努力を重ねることにより、海外ブランドからの新たな注文を勝ち取ることに成功したと伝えている。そして、世界的に動物愛護の意識が高まり続ける中で、同社が製造する高品質な人工皮革の存在感はますます高まっているとし、たゆみないイノベーションが自社だけでなく、人工皮革を製造するうえで必要な周辺の多くの企業にも活力を与えているとした。

 記事は、最後に「現地を離れる際、時代のニーズの変化に順応し、イノベーションを続け、高品質路線を堅持し、従来からの強みと現代の技術を見事に融合することこそが、岡田織物という小さな企業が生きていくための道だったのだ」と結んでいる。 

 日本には、世界に誇る「ニセモノ」の技術がある。例えば、中国をはじめとする海外メディアにもしばしば取り上げられる、本物そっくりの食品サンプル製造技術だ。その精巧さから、サンプルをお土産に買って帰る人も少なくないという。そして、今回紹介された人工毛皮もその1つと言えるだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)