中国では毎年約20万人の子どもが誘拐されていると推算されており、大きな社会問題となっている。これまでは広大な中国で連れ去られたわが子を探し出すのは困難とされてきた。ところが、人工知能(AI)を活用した顔認証システムが10年前に誘拐された子どもをいとも簡単に見つけ出し、話題を呼んでいる。

 中国中央テレビ(CCTV)の人探し番組「等着我(私を待っていて)」で、10年前から息子を探し続けてきた桂宏正さん(41)に、息子の豪剛さん(13)が見付かったという嬉しい知らせが伝えられた。今回、警察が頼ったのは中国IT大手のテンセント(騰訊)が開発した顔認証システムだ。3歳の時に撮った10年前のたった1枚の写真から、豪剛さんを探し出すことに成功した。

 豪剛さんは10年前、3歳の時に四川省広安市武勝県内で誘拐されてしまった。両親は中国全土を探し回り、蓄えも使い果たしたが、結局、何の手がかりも得られず途方に暮れていた。

 この顔認証システムは、子どもが成長して外見が大きく変わっていても、当時の写真が1枚でも残っていれば、本人を識別できるという。その精度は96%近いというから驚きだ。この技術を用いて、他に6人の子どもが発見された。いずれも誘拐されてから10年以上経っていたという。

 5月25日は世界失踪児童の日。世界では毎年800万人以上の子どもが行方不明になっているとのデータもある。AIを活用した顔認証システムは日本でもコンビニの万引き防止などのために導入されているが、行方不明になった子どもを両親の元に帰すことにも役立つのであれば日本でも、いや世界規模でぜひ活用してもらいたい。(編集担当:仙道計子)(イメージ写真提供:123RF)