建設業は全産業のなかでも事故が多い業種と言えるだろう。だが、日本ではこれを踏まえた上で建設現場での安全管理に力を入れている。中国メディアの今日頭条は5日、日本の工事現場における安全意識の高さを紹介する記事を掲載した。

 日本の工事現場では、どこでも必ず「安全第一」の文字が大きく掲げられている。何よりも大切なのは作業員の安全だ。記事は、日本では作業員から現場監督まで一人ひとりの安全意識が非常に高いと感心した様子で紹介した。

 そのうえで、日本の建設現場には基本的な3つの考え方があると指摘。仕事を手抜きして問題が起きると、「怖い、恥ずかしい、胸が痛む」という考えがあるそうだ。この根底にあるのが、「他人に迷惑をかけない」ことで、これは日本の建築業界の座右の銘であると紹介した。「簡単なひとことだが奥が深い」と感心している。中国と大きく異なっているのは、中国では「上から下まで責任を押し付け合う」のに対して、日本では「上から下まで各自が責任を持つ」管理になっていることだと分析した。

 では、日本ではどれほど安全性が重視されているのだろうか。記事は、仮に作業中に死亡事故が発生すると賠償金は1億円で、会社は3年間政府の下請けができず、責任者は懲戒処分され、メディアを通して謝罪会見をするとしている。事例により様々だろうが、仕事中に死傷者が出た場合の労災保険額が日本は中国よりもずっと多く、物価も違うとはいえ、それだけ作業員の命の価値が中国では小さく見積もられていると言えるかもしれない。

 もちろん、より大切なのは事故を未然に防ぐことである。記事は、日本での事故防止の取り組みを紹介。「日本の特色である朝礼」で1日が始まり、高所での作業は「わずか2メートル」の高さでも安全帯を付け、突き出た鉄筋の先にはプラスチックのキャップをかぶせ、安全にかかわる注意事項や施工計画は朝礼で伝えるだけでなく看板にして可視化することなどを紹介。また、作業場や道具置き場、事務所が整然としていることにも感心しているが、整理整頓も安全への第一歩と言えるだろう。

 こうしてみると、日本では事故が起こりやすい建設現場で人的事故を最小限に抑えるため、できる限りのことを行っていると言え、実際に建築現場での死亡事故はこの20年ほどで減少している。この点、日本は中国の良いお手本になっているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)