最近、日本企業が製造拠点を国外から国内に回帰させる動きがみられるが、中国メディアの今日頭条は28日、「日本企業はなぜ次から次へと中国の工場を閉鎖し、国内回帰を進めているのか」と題する記事を掲載した。

 まず記事は、「今でも日本の方が人件費は高いのではないか」という当然の疑問を呈している。しかし、全体的に見ればこうした日本企業の選択は「ビジネス的に理性的な決定」だという。

 まず、「人件費」だが、確かに今でも中国のほうが日本よりも安いものの、以前ほどの魅力はなくなっているという。2003年までは日本の4分の1から3分の1だった人件費が、その後は上がる一方で、2014年までの11年間で2倍になったとしている。

 同時に、2003年以降の中国では「不動産価格」も大幅に上がっている。大都市では10倍以上に値上がりしており、給料も毎年10%ずつ上がっているそうだ。今でも製造業の人件費は日本よりも低いものの、不動産価格と人件費のバランスを考えると「全体のコストで見ればそのうち日本に追いつき追いこしてしまう」と、もはや中国に製造拠点を置く理由がなくなっていることを指摘した。

 それに加え、「日本製品の人気が相変わらず高いこと」も、国内回帰を後押ししているという。かつての爆買いは見られなくなったとはいえ、今でも訪日中国人に「日本製」は非常に人気だ。中国製の商品もイメージが向上してはいるが、やはり「中国製品はローエンド、ミドルレンジ」、「日本製品はハイエンド」というイメージは払しょくできていないとしている。

 それで記事は、「中国人の日本製品好きと中国の製造コスト上昇が、日本企業の工場を日本へ回帰させている」と分析。特に化粧品メーカーでその傾向が顕著だと論じた。日本で日本製品を買いあさる中国人を見るにつけ、12年に尖閣諸島問題をめぐって大規模な反日デモが発生し、日本製品ボイコットが叫ばれたのがまるで嘘だったかのように思えるのではないだろうか。いずれにしても、中国人消費者が日本経済や日本企業にも影響を与えているのは事実と言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)