中国は近年目覚ましい経済発展を遂げたが、その一方で沿海部と内陸部、都市部と農村部との間で激しい経済格差を生むことにもなった。中国メディア・東方網は3月30日、「どうして日本は世界でも最も貧富の差が小さい国の1つになれたのか」とする記事を掲載した。

 記事は、貧富の差はその国の発展ぶりや文明レベルを表す重要な指標であるとし、欧州の中でも特に北欧地域は世界のお手本というべきほど貧富の格差が小さい一方、アフリカ南部や南米地域では逆に貧富の差が非常に大きくなっていると紹介した。そして、アジアは世界的に見て中間的な水準にあるが、その中で日本は地域のみならず世界的にもトップクラスの貧富の差が少ない国であると伝えた。

 そのうえで、日本が比較的小さい貧富の格差を実現した背景について解説。まず、これまでの日本では正規雇用者の割合が多く、企業間の給与水準にも大きな開きがなかったこと、そのうえ日本には年功序列という独特の制度があり、非常に多くの社員がリスクの少ない安定した給与や福利厚生を享受してきたことを挙げた。

 次に、オフィスワーカーから清掃員まで、各業種の給与水準に非常に大きな差がないとした。特に中国と大きな違いがある点として、日本の農家が経済的に比較的潤っていることを挙げ、「日本は農業人口現象を見込んで早い時期から農業の工業化や、農業従事者に対する保障政策に取り組んできた」と伝えている。

 さらに、財産を多く持つ人、稼ぎが多い人から高額の税金を徴収していることも、貧富の格差拡大を抑制する一因になっていると指摘。日本では全体の4%しかいない年収1000万円超の富裕者が、所得税の半分を支払っていると紹介した。また、遺産の相続税も重く、5億円の遺産を相続する際にはその半分近くを相続税として納める必要があると説明。行政は富裕者から多く徴収した所得税や相続税の一部を社会弱者への基本的な保障に充当しており、結果的に「豊かな人が、貧しい人を扶助する」ことになっているとした。

 年功序列、終身雇用の制度に守られた正規雇用が主流の時代はすでに過ぎ去っており、現在は非正規雇用者の割合が年々高まっている状況だ。数字の面では世界的に見て貧困格差は小さいかもしれないが、日本でも種々の理由により貧困にあえぐ人は決して少ないわけではなく、少子高齢化に伴って今後貧困者がさらに増える可能性もある。貧困問題は、日本にとっても切実な課題だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)