外国語を学び、いざその国の人と話してみれば、教科書の会話文のようには行かなかった、というのはよく聞く話だ。しかし、日本語を学ぶ人が最初に覚えるだろう挨拶の一つ「さよなら/さようなら」が、実際にはほとんど使われていないという情報には、少なからぬ人がショックを受けたようだ。

 中国メディアの看中国は2日、ユーチューブの日本語学習者向けチャンネル「RyuuuTV/学日文看日本」の内容を取り上げ、「日本語を学んだことのある人なら、『再見』にあたる言葉の代表の『さよなら』は必修単語だ。しかし、ご存知だろうか。日本人はふだん、別れ際に全然そう言わないのだ!」と紹介した。日本人に向かって「さよなら」と言えば、誤解を招いて相手を戸惑わせることになりかねない、というユーチューブ動画の情報を受けて、「多くのネットユーザーは『じゃあ我々が学んだのはなんだったのか』と驚愕している」という。

 記事は、「さよなら」という言葉には「もう二度と会えない」というニュアンスがあると説明。前述の動画では、小学校の下校前に「先生、さようなら。みなさん、さようなら」と挨拶する習慣はあるが、ふだんの生活では使わないと解説を加えている。記事は、このような「学校慣用語」的なフレーズは台湾の小学校にも見られると指摘した。

 言われてみれば確かに、普段の生活で「さよなら」を言う機会はほとんどない。別れ際、親しい相手には「じゃあ」「またね」「バイバイ」、仕事上は「お疲れさまでした」「お先に失礼します」「それでは」などと言う場合が多いのではないだろうか。

 動画の中では冗談まじりに「死語」疑惑すら持ち上がった「さよなら」だが、元々「左様ならば」という言い回しから来ていることを考えると、「それでは」や「じゃあ」は、意味的には「さよなら」系列の挨拶と考えられる。日本語の教科書にある別れの挨拶も、実用に即して次第に変化していくだろうが、「さよなら」がテキストから完全に消えることは当分ないはずだ。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)