反日感情が根強く存在する中国では「愛国青年」と呼ばれる一部の人が、歴史問題や領土をめぐる対立を理由に日本製品や日系車の排斥を今も叫んでおり、中国ネット上にはこうした声が氾濫している状況となっている。

 しかし、中国市場における販売台数を見てみると、中国メーカーやフランス系、米国系メーカーが大きく販売台数を減らすなか、日系車の販売台数は前年比5.74%増となり、ドイツ系や韓国系を上回って伸び率で1位となった。一般の消費者は愛国青年たちの主張とは関係なく、理性的に車を選んでいることが見て取れるが、中国メディアの今日頭条は29日、愛国心を示す行為とは「日系車を排斥することではない」と指摘する記事を掲載した。

 記事は、中国人ならば「日系車など、日本製品は死んでも購入してはならない」、「日系車は断固不買」などといった愛国青年たちの主張をネット上などで見たことがあるはずだと指摘する一方、グローバル化が進んだ現代において「中国人は日本製品を使わないことなど果たして本当に可能なのだろうか」と疑問を投げかけた。

 続けて、日本は自動車産業が非常に発達した国であり、自動車という完成品は「買わない」という選択が可能かもしれないとしながらも、日系メーカー以外の車にも日本メーカーが生産したトランスミッションやエンジンが搭載されていると強調。そして、それは中国車も同様であり、日本メーカーの部品を搭載した中国車は非常に多く、車名を挙げればきりがないほどだと論じた。

 さらに記事は、近年の中国ではスマホメーカーが世界的な躍進を見せていることを例に、「中国のスマホメーカーはカメラの解像度の高さを売りにしているが、そのカメラには日本メーカーの製品が使われている」と強調。中国人は自国のスマホ産業の躍進を誇りに思っているが、「日本メーカーの製品が使われているからといって、自国メーカーのスマホを叩き壊し、排斥すべきだと言うのだろうか」と問いかけつつ、自動車だってスマホの例と同じであり、「やみくもに排斥を叫ぶのではなく、より良い製品を作れるよう努力することこそ愛国ではないだろうか」と主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)