日本の国技である相撲は、長い伝統と独特の文化を持ち、海外からも注目される競技だ。しかし近年、暴行事件など不祥事が明るみに出たことで、厳しい視線にさらされている面もある。そんな中、見た目からイメージアップを図ろうという意図なのか、今年2月に力士の「ひげ」が正式に禁止された。

 日本メディアの報道によると、日本相撲協会は先月26日、大相撲の力士の「ひげ」を禁止すると通告した。「見苦しくないように」との理由で、力士の身だしなみなどを定めた「力士規定」に明記されたという。また、伸びた爪や入れ墨も禁じられ、規定には盛り込まないが、ケガをした部位にするテーピングも目立たない肌の色に限るよう指導していくとされる。

 中国メディアの捜狐は27日、「なぜ日本の相撲ではひげを伸ばしてはいけないのか?」と題する記事の中で、「かつて日本の相撲では、ひげをたくわえることで幸運になると思われていた」と指摘。確かに相撲界では、験(げん)を担ぐためにひげを伸ばす習わしがあったようだ。

 時事通信のコラム「昭和のひげ、平成のひげ 若林哲治の土俵百景」によると、1973年夏場所、横綱昇進が懸かった大関輪島が験を担いでひげを伸ばし、横綱審議委員会から「見苦しい」と物言いをつけられたことがあったという。また最近でも、2018年の春場所で優勝した鶴竜が不精ひげを伸ばしていた。

 とはいえ、ひげが正式に禁止される以前から、大多数の力士はひげを伸ばしていない。中国メディアの捜狐は、「長期的な訓練と飲食や休憩の習慣により、力士の性ホルモンが抑制され、ひげ剃りの必要がなくなるという説もある」と紹介しているが、やはり「身だしなみ」が一番の理由ではないだろうか。個人差はあれ、力士のひげを見苦しいと感じる人は確かにいるだろう。しかし、ひげを伸ばす験担ぎも一種の文化であり、はたして禁止を明文化する必要があったのか考えさせられる。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)