日本経営管理教育協会が見る中国 第560回 ――下崎寛

 平成31年3月上旬に雲南省昆明に最近の不動産事情の視察に行ってきた。

 雲南省は、中国西南地域に属し、ラオス、タイ、ミヤンマーに国境を接する地域であり、中国一帯一路の南方の要衝基地として最近注目されている。また、自然環境に恵まれた地域であり、省内には世界遺産が4カ所あり、観光業が中心となっている。

 気候は亜熱帯地域に属し、海抜2,000m程度の高地にあり、植物資源や鉱物資源が多く「有色金属王国」と言われており、中国特有の漢方薬の特産でもある。

 民族は、イ族(先祖はチベット族、回族の末裔といわれている。)、ワ族(南アジア語族)を中心とした少数民族の地域であり、身長が小さく日本人と同様な体つきをしている。

 最近の中国国家統計局によれば、雲南省は2018年の投資成長率が第3位となっており、中国の重点投資地域となっている。

 昆明市は、雲南省の中心に位置し、雲南省の省都として標高は平均1,800mと高地になっており、三方は山に囲まれており、盆地型の気候である。年間平均気温が15度前後となる暖かく過ごしやすい土地であることから、中国では、通称「春城(春の街)」といわれており、人口は現在約750万人といわれている。

 視察して驚いたのは、昆明市中心市街地では、2007年ごろから都市開発が始まり、現在ではタワーマンションが林立し、中国地方都市でみられるように、農地を開発し、近代的な街つくりとなっている。市民の生活状況も北京、上海の生活水準と変わりがなく、若者のファッションも中国湾岸都市の若者と変わりがない。最近では、地下鉄も整備され、街の勢いが感じられる。

 不動産市場においては、マンションの1戸当たりの面積が2DK60㎡や3LDK120㎡が中心となり、㎡あたりは2万元前後となっており、日本円で2,000万円から4,000万円の物件が売れているそうである。市内の中堅サラリーマンの平均月収が5,000元(8万円)前後であり、購入価格の50%くらいを住宅ローンにより購入している。市内の中心開発区では昆明市の大手不動産業者による16棟のマンションが林立し2万人の住民が生活している地区がある。

 昆明市は、気候が温暖であり、中国においては年間空気がきれいであり、周辺には温泉地もあり、また、漢方薬も豊富に取れることから、中国の高齢化を踏まえ、老人を対象とした養老施設の開発に力を入れている。昆明市は、養老施設としての広大な開発地があることから、自然環境にも恵まれていることことから、今後、中国における老人の養老地域としての発展が期待される。(写真は、昆明市内のマンション群。提供:日本経営管理教育協会)