中国メディア・東方網は22日、さいたまで行われている世界フィギュアスケート選手権で、4カ月ぶりの試合復帰を果たした羽生結弦選手について「日本を熱狂の渦に包んだ彼こそ、世界選手権唯一の主役だ」と報じた。

 記事は羽生選手が昨年11月に右足首の故障回復のために休養することを表明し、人びとの前から姿を消した一方で、書店の棚には羽生選手関連の本が並び、広告ポスターの前でファンが記念撮影するなど、リハビリ期間中も日本では羽生選手の存在感が薄まることは全くなかったと紹介。今大会のチケットが4カ月前に早くも売り切れてしまったことも、羽生選手が今大会で復活すると多くの人が信じていたことの表れだとしている。

 そして、19日の公式練習では平日だったにもかかわらず、さいたまスーパーアリーナの観客席は満員となり、一同が静かに羽生選手の出番を今かと待っていたと説明。本人がついに登場すると、場内のボルテージは一気に高まり、観客の視線が羽生選手から離れることはなかったとした。さらに、羽生選手も練習中にさまざまな方法でファンとコミュニケーションをとり、終了後にはまるで本番が終わったかのように四方に深々と頭を下げたことに言及し「これがまさにスターの本能なのだろう」と評した。

 21日のショートプログラムで3位となった羽生選手について記事は「残念ながら完治していない右足が演技に多少なりとも影響を与えた。冒頭の4回転ジャンプの回転が抜けたことで、1位のネーサン・チェン選手と13点近い差ができてしまった」と解説した。その一方で、完ぺきな演技からは遠かったものの、終了後には「勝利と応援を意味する大量の『プーさん』の雨が降り注いだ」とし、羽生選手もその1つを拾い上げて頭を撫でるいつものパフォーマンスを見せたと伝えている。

 そのうえで、羽生選手が試合後には悔しさをにじませ、23日のフリーでの完全燃焼を誓ったことを紹介。「彼の偉大なところは、順風満帆だろうが逆境だろうが、いつでも燃えるものを心の中に持ち続けていることだ。5年前に初めての世界選手権制覇を果たしたさいたまの地で、再び栄冠をつかむことはできるだろうか」と結んだ。

 羽生選手、宇野昌磨選手、田中刑事選手の日本の男子シングル3選手はいずれも21日のショートプログラム冒頭の4回転ジャンプを失敗する滑り出しとなってしまった。自国開催の世界選手権は非常に大きな声援を得られる一方で、プレッシャーも並々ならぬものがあることがうかがえる。フリーでの羽生選手の「完全燃焼」を、日本のみならず、中国をはじめとする世界のファンが期待していることだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)