年金制度がどうなっていくのかは、国を問わず多くの人の関心事だろう。中国メディアの中国新聞網は20日、年金の支給額が15年連続でアップすると報じた。記事によると、中国当局は今年も引き続き、企業や官庁・公共機関の退職者の基礎年金(基本養老金)を統一的に調整し、全体で5%程度引き上げることを通知した。この措置により、1億1800万人の退職者が恩恵を受けると推計されている。5%という引き上げ幅は前年並みであり、2018年の平均賃金や物価の上昇幅に基づいて決定されたとのことだ。

 そもそも、中国の年金制度はどうなっているのだろうか? ニッセイ基礎研究所のレポート「中国の年金制度について(2017)-老いる中国、老後の年金はどうなっているのか」によると、中国の公的年金制度は、会社員(自営業者を含む)など被用者が加入する「都市職工年金」と、農村住民や都市の非就労者が加入する「都市・農村住民年金」の2つに大別され、公務員や外郭団体の職員は、「都市職工年金」の一部に分類された「公務員年金」に加入する。会社員や公務員は加入が義務付けられているが、農村住民・都市の非就労者は任意加入だ。

 2015年時点の平均支給月額は、地域差が大きいものの、「都市職工年金」が2240元(約3万7千円)、「都市・農村住民年金」が117元(約2千円)となっている。受給開始年齢は、「都市職工年金」が男性60歳、女性50歳(一般職)または55歳(専門職)、「都市・農村住民年金」が男女とも60歳となっており、近年、その引き上げが検討されている。

 中国新聞網の記事は、「年金を受け取る退職者数はますます増加し、受給者を支える納付者の比率は下がり続け、高齢者を支える負担はさらに重くなっている」など、少子高齢化による課題にも言及。国による年金支給額の調整は、「多くの退職者が経済社会発展の成果を享受できるようにし、かつ退職者の長期的な利益を十分に考慮した」措置であると述べた。日本を上回るスピードで高齢化が進んでいく中国で、今後、年金制度がどのように維持されていくのかが注目される。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)