日本人であれば、学生時代に必ずと言っていいほど漢詩にふれる機会がある。特に、李白や杜甫の詩は有名だ。中国メディアの看中国は19日、「中国は詩歌の国であり、多くの詩が大きな影響力を持っている」と述べ、筆者が選んだ「中国で影響力が大きい漢詩」10首を紹介した。日本ではあまり知られていない詩も含まれているかもしれないが、このうちいくつに覚えがあるだろうか?

 第1首は、故郷への思いが共感を呼ぶ『静夜思』(李白)。「床前明月光,疑是地上霜。(床前 月光を看る 疑うらくは是 地上の霜かと)」で始まるこの詩は、「挙頭望山月,低頭思故郷。」と続く。ホームシックを感じる時に、誰もが口ずさむ詩として今も愛吟されている。

 第2首は、『遊子吟』(孟郊)。「慈母手中線,遊子身上衣。」と、母親が旅立つ我が子を思う詩。第3首は、野原の草を燃やしても春風が吹けばまた生えてくる、という前向きな一節が有名な『古原の草を賦し得て送別す』(白居易)。第4首は、兄弟げんかをいさめる『七歩詩』(曹植)。第5首は、尽きせぬ探求心をうたった『鸛鵲楼(かんじゃくろう)に登る』(王之渙)。

 第6首は、異郷での孤独感に胸打たれる『九月九日山東の兄弟を憶(おも)う』(王維)。第7首は、「窈窕(ようちょう)たる淑女は君子の好逑(こうきゅう)」と男女の愛をうたった古詩『関雎(かんしょ)』(詩経)。第8首は、中国史を代表する女性作家の毅然とした人柄がうかがえる『夏日絶句』(李清照)。第9首は、友との別れを悲しむ『杜少府の任に蜀州に之(ゆ)くを送る』(王勃)。第10首は、「一粒一粒が辛苦の結晶だと、食事のとき誰が知っているだろう」と農民の苦しみをうたう『憫農(農をあわれむ)』(李紳)。

 記事の筆者は、影響力の大きさという観点から、「通俗的で分かりやすく、覚えやすい」というポイントを考慮して上記の10首を選んだという。全く聞いたことのない詩もあれば、中学校や高校の教科書で見たような気がする、という作品も含まれていたのではないだろうか。遠い昔に作られ、今も中国の人々の心に影響を与え続ける漢詩。他国の文学ながらその情感を味わえるのは、漢字文化を共有する日本人ならではと言えるかもしれない。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)