世界消費者デーである3月15日、国営放送の中国中央テレビ(CCTV)は今年も生放送番組「315晩会」を放送した。今回、同番組で取り上げられた問題の1つが、医療廃棄物の不正な再利用だ。本来ならば厳しく管理されるべき医療廃棄物だが、そこには依然として「黒い産業チェーン」があるとCCTVは報じた。

 番組によると、記者が取材した河南省のある工場には、使用済みの輸液ボトルや輸液バッグなどが大量に積み上げられていた。そのほか、輸液チューブや使い捨ての注射器もあったという。同工場は、医療廃棄物の処理に必要な資格を持っておらず、環境アセスメントも行っていなかった。工場の責任者は検査を逃れるため、3~4ヶ所に分散した加工場所で医療廃棄物を細かく砕き、他の企業に売り渡しているという。同工場では、医療廃棄物の洗浄に使った薬液入りの汚水が異臭を放ち、地面に掘られた大きな穴に流れ込んでいた。

 このほか山東省、陝西省、河北省などでも、医療廃棄物の不適当な処理や売買が行われていたという。記者がさらに「黒い産業チェーン」をたどって調査したところ、医療廃棄物を砕いた原料からは、野菜づくりに用いるネットや、スーパーの厚手のビニール袋、洗面器、トレー、おもちゃ、使い捨てのコップまで、さまざまな製品が作られていることが判明した。

 台湾メディアの自由時報は17日、この番組について取り上げ、「前世紀70年代、中国は医療廃棄物の処置が不適当だったためにB型肝炎の流行を引き起こした。2003年のSARSの猛威の後、中国当局は『医療廃棄物管理条例』を公布して、業者や個人による医療廃棄物の売買を厳しく禁じた。しかし、十年以上たってもこの種の現象は少しも減っていない」と指摘した。

 日本でも、中国製のプラスチック製品は大量に流通している。「黒い産業チェーン」の末端にふれないよう、消費者は意識して物を選ぶ必要があるだろう。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)