日本語には中国語が語源の単語が数多く存在するが、近代では逆に日本から中国に逆輸入された言葉が多く、中国語はもはや和製漢語抜きには話せないとさえ言われているほどだ。しかし、本当にそこまで浸透しているのだろうか。中国メディアの観察者網は16日、「日本生まれの単語を使わずに中国語はしゃべれないという話は本当か」と疑問を投げかける記事を掲載した。中国ではあまりに日本語由来の単語が浸透しているため、「文化への侵略」という見方もあるという。

 記事はまず、日本語が中国でよく使用されている理由について、日本の単語は「正確で使いやすく、優雅」からだと高く評価。例えば、中国では日本から「電話」という単語が入って来るまでは、英語の当て字で「泰来風(タイライフォン)」を使用していたというが、すぐに「淘汰」されて日本の「電話」が使われるようになったそうだ。

 記事はさらに、和製漢語には「分かりやすくて使いやすく、そのうえぴったりな造語ができる条件」が整っていると紹介している。造語を考えたのがエリート層ではなく一般市民だったため、一般の人が理解しやすい単語が生まれたと論じている。しかし、明治時代には多くの外来語を漢字で表現したが、最近では「外来語を便利に表現できる表記法」つまりカタカナで表現されることが多いとも指摘している。

 そのうえで、現代中国語には少なからぬ日本由来の単語が含まれてはいるものの、「中国文化を侵略」するほどではないと記事は主張。例えば、「元気」のような和製漢語は、中国に入ってきてから意味が少し変化しており、日本のアニメによく出てくる「制御不能」、「立ち入り禁止」といった単語はオタク同士という限られた範囲内でしか使われず、「彼女」のように広く認知されてはいても日常で利用されるほどではない単語もあると指摘している。

 記事が念頭に置いている和製漢語は、比較的新しい単語のことを指しているようだ。しかし、中国人の好んで使う「歴史」、「文化」、「認識」など中国人の日常にしっかり根をおろしている日本由来の単語も多く、中華人民共和国の「人民」と「共和国」まで日本から輸入した言葉である。やはり明治時代に造語された和製漢語はかなり高いレベルだったと言え、安易にカタカナで表現する現代と比べると、当時の日本人には頭が下がるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)