日本の情報を紹介する中国のサイト・日本通は14日、海外への「移住」が日本の富裕層のブームになっていると伝えた。外務省の「海外在留邦人数調査統計」(平成30年版)によると、生活の本拠を日本から海外へ移した永住者の数は、2017年10月1日時点で48万4,150人にのぼる。前年比約3.4%(1万5,722人)の増加で、10年前に比べると約14万人増えている。 

 日本のビジネス誌『PRESIDENT』は、かつて「日本の超富裕層が次々に米国移住するワケ」において、富裕層を長年取材してきたジャーナリストが、増加している海外永住者について、「富裕層の人がかなり含まれていると見ていいでしょう」と指摘し、「日本は、今や中国と並ぶ富裕層の輸出大国になっています」と述べていることを紹介した。

 中国メディア・日本通の記事は、日本が「生活レベルはもちろん、医療・衛生などさまざまな面で世界トップレベル」であるにもかかわらず、移住ブームが起こっているのはなぜなのか、と疑問を提示。その主な理由として、富裕層の所得税や相続税の負担が重く、税率がさらに上がっていることや、2015年から1億円以上の有価証券を持つ資産家が海外移住すると「出国税」が課せられるようになったこと、2018年からOECD(経済協力開発機構)加盟国間で金融機関の「口座情報」が交換されるようになったことなどを挙げた。

 それでは、富裕層はどこに移住しているのだろうか? 日本通の記事は、日本の富裕層が選ぶ移住先の条件として、第一に、「相続税がないか、非常に少ない」こと、第二に、「プライバシーを守る権利が重視されている」こと、第三に、「移住先の生活レベル・衛生・医療などの状況が日本と同じか近い」こと、第四に、「日本との距離が遠すぎない」ことを挙げている。そして、資産10億円以上の場合の移住先ベスト3は、アメリカ、ニュージーランド、シンガポールであると紹介した。それ以外に、マレーシアや香港も人気の移住先であり、香港で永住権を取得した日本人はすでに3,000名に達したという。富裕層の海外移住を食い止めるのは、日本にとっても中国にとっても難しい課題のようだ。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)