スマートフォンの次のトレンドとして、「折り畳み画面スマホ」に熱い視線が注がれている。ディスプレイごと折り畳んだ状態ではスマホのように使い、開くとタブレットになる「1台2役」の優れモノだ。今のところ、韓国のサムスンと中国のファーウェイ(華為)が2大勢力だが、2月末にスペイン・バルセロナで開かれた携帯機器の国際見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」では、ファーウェイ以外の中国勢も続々とプロトタイプを公開し、話題を集めた。

 世界で初めて「折り畳み画面スマホ」を発売したのは、実は中国企業だということをご存知だろうか。有機ELパネル製造の中国スタートアップ企業、柔宇科技(ロヨル)が2018年10月に発表した「フレックス・パイ」だ。日本でもネット通販で購入することが可能で、価格は1588ドル(約18万円、消費税+送料別)から。サムスンやファーウェイの日本での発売時期は今のところ未定だ。

 ファーウェイはMWCで世界初となる次世代通信規格「5G」対応の折り畳み画面スマホを発表した。2019年半ばに欧州市場に投入する予定で、価格は2299ユーロ(約29万円)。米国で4月発売予定のサムスンの「Galaxy F」は1980ドル(約22万円)だ。発売時期は未定だが、中国勢のシャオミ(小米)は1月に3つ折りスマホのプロトタイプを公開。OPPOとTCLもMWCに折り畳み画面スマホのプロトタイプを出展した。

 業界ではかなりの盛り上がりを見せている折り畳み画面スマホだが、中国メディアや中国人ネットユーザーの反応は意外と冷ややかだ。その最も大きな原因は、「価格が高すぎる」ということ。「それほどの金額を出してまで買う意味が見いだせない」という声が圧倒的だ。国営新華社通信までもが「本当に折り畳み画面スマホは必要なのか?」と問いかける記事を掲載し、価格の高さを指摘。中国メディアの新浪財経も日本のネットユーザーたちが「その金額では手が出ない」と言っている、とわざわざ報じている。

 一方、働く人からは通勤や出張のお供に最適と期待の声が上がっている。通勤時間が2時間以上という「90後」(1990年代生まれ)のホワイトカラー女性は移動中、ドラマやゲームに興じることが多いが、「スマホでは画面が小さくて物足りない。かといってタブレットを持ち歩くのは煩わしい」ため、「折り畳み画面スマホならそんな悩みを解決してくれる」と歓迎ムード。別の大企業勤務の男性も「出張にはスマホ、タブレット、ノートパソコンは必携だったが、折り畳み画面スマホがあれば1台で済む」と期待を寄せる。もっとも、今の時点では故障した時のアフターサービスや折り畳み式ディスプレイの寿命、バッテリーの持ち具合など全くの未知数だ。

 今はまだ庶民には手が出ない金額だが、そのうち各社の製品が出揃い、価格競争が勃発するだろう。その時、日本ではどのメーカーのものがどれくらいの金額で買えるのか。スマートフォンと同じように、折り畳み画面スマホも1人1台の時代がやってくるかもしれない。何とも楽しみである。(イメージ写真提供:123RF)