日本人が小さい頃から親しんでいる「ママの味」といえば、素朴な甘さがホッとするミルク味のソフトキャンディー、不二家のミルキーだろう。一方、中国にも同じような「ママの味」が存在するのはご存知だろうか。うさぎのキャラクターでおなじみの「大白兎ミルクキャラメル」だ。6日付の中国紙・北京青年報によると、米国のアイスクリームショップが最近、この大白兎ミルクキャラメル味のアイスクリームを売り出し、「パクリ」疑惑が浮上している。

 「ホワイトラビット」と名付けられた問題のアイスクリームは、米国のアイスクリームショップ「ワンダーラスト・クリーマリー」が春節(旧正月)に合わせて発売したもの。大白兎ミルクキャラメルの包み紙にしか見えないスリーブをまとったコーンに大きく盛られた「ホワイトラビット」の写真は、同店のインスタグラムにも登場。現地の中華系を中心に大人気となり、9日間限定販売だったところを3カ月延長した。

 現地の様子を知った中国のネット上では「今すぐ食べたい!」「なぜ本場のわれわれが食べられないのか?」と魂の叫びにも似たコメントが続出。幼い頃からの思い出がたくさん詰まった「ママの味」には格別の思い入れがあるようだ。大白兎ミルクキャラメルは上海冠生園が1959年から製造し、中国人なら知らない人はいないほど中国を代表する存在。1972年には当時の周恩来首相が訪中した米国のニクソン大統領に贈呈したこともある。

 こうした反響を受け、冠生園側がコメントを発表。あろうことか、「ホワイトラビット」は同社に無断で製造・販売されたものだった。現在、代理人を通じて知的財産権の侵害にあたるか調査中という。なお、ワンダーラスト・クリーマリーの公式サイトを見ると、「中国・上海のホワイトラビットミルクキャンディーにインスパイアされた」と紹介されている。

 折しも、中国の技術移転の強要や知的財産権の侵害などの問題を巡る米中通商協議が最終局面を迎えている。まさかとは思うが、この「ママの味」騒動が思わぬ外交問題に発展しないことを祈りたい。(イメージ写真提供:123RF)