中国政府は5日、2019年の国防予算を公開した。今年は前年比7.5%増の1兆1898億元(約19兆8000億円)となり、6~6.5%に引き下げられた国内総生産(GDP)の成長率目標を上回る伸びとなった。中国メディアの環球網は5日、国防費の増加に関する社説を掲載した。

 社説はまず、国防費の伸び率が2018年(前年比8.1%)より低下しており、また、4年連続で1桁台であることに言及した。その上で、「両会(全国人民代表大会・全国政治協商会議)期間になると毎年、中国の国防費増加をめぐって西側メディアが“中国軍事脅威論”を大げさに宣伝する」として、西側メディアが今年も、中国の国防費の用途が不透明で、実際は公開しているよりかなり多いと吹聴していると指摘。「これらの非難はどれも目新しいものではなく、近年しばしば持ち出される冷や飯を温め直したような訴えだ」と皮肉った。

 社説はさらに、「中国の国防費と1位であるアメリカの7000億ドル超という規模を比べると、巨大な差がある」と指摘。確かに、トランプ政権が昨年2月に打ち出した予算教書では、2019会計年度の国防費は総額7160億ドル(約78兆円)と、中国の約4倍にのぼる。社説は「中国が軍事費を増やすのは、現実的な国防上のニーズを満たすため」だと述べ、中国の国防戦略は防御性のものであると同時に、中国が直面する脅威と挑発は絶えず増加していると主張し、アメリカが中国をライバル視して対中圧力を高めていることを非難した。

 最後に、将来的な中国の国防費について、社説は「持続的に増加する」との見通しを述べつつ、「世界の覇権を握ろうという野心はないため、未来の中国も、世界規模の軍を維持しようとする軍事費を求めたりはしないだろう」と述べた。「中国は軍事力が強大になればなるほど、“戈を止むるを武となす”の道理を重んじる。なおのこと我々は、軍事的にアメリカに挑もうなどという衝動は持ち得ない」。“戈を止むるを武となす”とは、「武」という文字が「戈」と「止」とを組み合わせたものであり、「武」は戦争をなくすためのものだという意味だ。この言葉どおりになるのか、先行きは不透明と言わざるを得ない。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)