日本に旅行でやって来る中国人観光客の大きな楽しみの一つが、数年前は日本のドラッグストアで化粧品を買って友人に配ることだった。「温水便座」「電気炊飯器」に続く、爆買い商品として化粧品がもてはやされていたものだ。現在では、観光旅行での爆買いこそ影をひそめたものの、Eコマース市場では日本を含む先進国の化粧品が爆発的に売れている。アリババグループの天猫(Tmall)が発表したところによると、2018年のTmallでの美容品の売上高は、前年比60%超増えたということだ。

 天猫のプレジデントであるJet Jing氏は、「天猫は18万ブランドから信頼され、ブランドのデジタル化の加速および中国での事業成長に貢献できることを光栄に思います。中国の消費活動はアップデートを続けており、様々な年齢層や居住地の人々が、高品質な美容製品を進んで購入しています」と近年の美容製品市場の拡大について語った。そして、「2019年中に国内外の化粧品1000ブランドが天猫に店舗を開設する」と発表した。

 既に、グローバルの化粧品企業7ブランドと天猫が新たに契約を締結している。トム フォード(Tom Ford)、グラムグロウ(Glamglow)、P&Gの新たな化粧品シリーズ「Oriental Therapy」、「Cosme」、日本の資生堂の「d program」、韓国の「Primera」、スウェーデンの「バーネゲン」は、2019年中に天猫で旗艦店を開設する。

 また、今年度の取り組みとして、美容ブランドの中国での成功を支援するため、1月に正式に発表したワンストップソリューション「Alibaba Business Operating System」を紹介した。同ソリューションは、販売、物流、サプライチェーン管理、決済、マーケティング、クラウドコンピューティング、および、その他のサポートサービスのデジタル化を支援するもので、Tmallで店舗を開設することによって、中国の消費者に対してスムーズに商品を届けることができるようになる。

 天猫に出店しているブランドは、80%以上が天猫で新製品を発表しているという。日本の化粧品メーカーでは、資生堂が天猫で10ブランドを出店。2018年4月に「ELIXIR」がアイクリームを発売した時には30日間でPV数は1億を突破し、売上数2万個以上に達した。また、天猫と共同企画した「アネッサ」の「ドバイ日焼け止めの旅」では、キャンペーン期間中に売上が600%増加し、わずか6分で1万個が売り切れた。

 コーセーも6ブランドを出店し、2018年9月に新規出店した「コスメデコルテ」は、わずか10日で13.7万人のフォロワーを獲得し、購入者の83%が90年代生まれだった。

 天猫と小売市場調査会社Kantarが共同発表した報告書によると、2018年の中国国内の小売市場全体のうち化粧品の伸び率は21%と高い伸び率であったが、天猫に出店しているブランドは、この伸び率を大きく上回る伸びを示している。そして、これからのトレンドとして、15~19歳のZ世代の可能性を示した。「Z世代の女性は美容市場の新たな消費者で、他の年齢層の女性よりもハイエンドな口紅を進んで購入します。これは化粧品会社にとってチャンスです」と報告している。(写真は、3月4日に上海で開催された「Tmall Beauty Summit」の様子。アリババグループの公式広報サイトより)