中国は言わずと知れたタバコ強大国である。約3.5億人に上る喫煙者数は、タバコ発祥の地である米国の総人口に匹敵し、毎年世界の43%以上の巻きタバコを消費している。また、毎年タバコの納税額は1000億元(約1兆6000億円)に達し、国家の総税収のうちの10%を占める程である。

 中国はタバコの生産や消費の面において、ほぼ世界1位を独占しており、葉タバコ・巻きタバコ生産量、そして、生産量増加速度も世界最大である。他にも、栽培面積や喫煙者増加速度、たばこ税の値上がり速度等の8つの指標で世界1位にランクインしている。

 そんなタバコ強大国である中国の喫煙率は28.7%、うち男性は52.9%,女性は2.4%であり、中国政府は“健康中国2030”を掲げ、2030年までに喫煙率を現在の28.7%から20%に抑えるとしている。10年で8.7%の減少は可能なのだろうか? かつて喫煙率が83.7%と国民の10人に8人は喫煙者というタバコ大国であった日本を参考に比較してみる。

 日本は1966年の83.7%をピークに喫煙率は年々減少し、2018年全国たばこ喫煙者率調査によると2018年は27.8%であった。52年で55.9%減少ということは、単純計算で年約1%の減少である。勿論、日本の1%と中国の1%では人口が桁違いなのは忘れてはならないが、これに基づくと、中国の目指す10年間で8.7%の減少は現実的に達成可能な数値であるように思える。

 年間のタバコ税による納税額は、前述のように国家の税収の柱の1つであり、その税収が人々の生活を支えている。喫煙率の減少は、納税額の減収を意味することになり、中国が経済上受けるダメージは大きい。「タバコは健康を害する」という言葉はエジソンが残した名言の1つである。誰の目にも明らかだ。彼の言葉はまだ続く。「でも国には有益をもたらす」。国民の健康と国家の利益、このジレンマの中で中国政府はどのような対処を取るのだろうか?(イメージ写真提供:123RF)