中国の地方紙である四川日報は2月28日、労働者の高齢化が地域経済発展のボトルネックになっていると伝える記事を掲載した。同紙が取材したのは、農村が多い地域である四川省の儀隴(ぎりょう)県。県内唯一の工業エリアでは「求人難」が叫ばれ、深刻な人手不足になっている一方、農村部では簡単に人が集まるという。なぜ、そのような偏りが生じているのだろうか。

 重要な原因は「年齢」だと記事は分析している。現在、儀隴県の主な労働力となっているのは農民工だが、統計によると、若年層から中年層は年間を通じて県外へ出稼ぎ労働に行くケースが多い。県外に出た場合の平均年収が約5万元(約80万円)であるのに対し、県内で就業した場合はわずか2~3万元(約30~50万円)しか稼げない現実があるためだ。

 四川日報の取材によると、儀隴県の工場では40歳過ぎの労働者が主力であったのに対し、農村部の組織の労働者は平均年齢60歳以上。シニア層は農村部に留まっている状況がうかがえる。ある工場の人事担当者は、「年を取ると手足が機敏でなくなる」ため、「退職年齢に達した老人を雇うとなると、気にする取引先もいる」と話し、人手不足でも年配者の雇用が難しい現状を述べた。一方、農村部の組織は人手不足ではないが、人材不足であるという。関係者の一人は取材に対し、「専門的な技術を持つ人材や管理業務のできる人材を探しているが、一向に見つからない」という悩みを明かした。

 労働者の高齢化は地方部で広く見られる現象で、その傾向は年々進んでいるという。この問題に対して中国の専門家は、「日本の埼玉県で調査を行った際、農業に従事している人の多くは70歳以上の老人だった」と紹介。また、別の専門家は、「日本の老人は70歳になっても質の高い仕事ができる。このことは、年齢が労働力の価値を評価する唯一の基準ではないことを意味している」として、労働者の参加率と生産効率を高めることが大切だと述べた。少子高齢化の時代、日本も中国も、シニア層の力をいかに活用していくかが課題になりそうだ。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)