東京国立博物館で行われた1カ月足らずの特別展には、日本人のみならず5万人もの中国人が足を運んだというが、これは非常に驚くべきことと言えるだろう。中国メディアの快資迅は23日、「顔真卿(がんしんけい)の書を見るために5万人もの中国人が日本へ押し寄せた」と論じる記事を掲載した。

 顔真卿とは、中国の唐の時代に皇帝に使えた政治家・官僚であると同時に、偉大な書家として名を残している人物だ。今回の展示の目玉となったのは、台北国立故宮博物院所蔵の顔真卿「祭姪文稿(さいてつぶんこう)」という書で日本初公開だったものだ。滅多にお目にかかれない非常に価値ある書を一目見ようと日中両国の人々がこの書の前に集まったが、特にこの展示は中国国内でも大きな注目を集めたという。

 記事は祭姪文稿を見るために日本を訪れた中国人の手記を掲載し、博物館の様子について伝えている。その日は入館時間前から入り口には500人もの行列ができており、さらに「祭姪文稿」が展示された部屋の前で1時間ほど並び、実際に見れたのは5ー6秒ほどだったという。ゆえに、もっとじっくり見たいと3回も並び直して書を味わったが、「顔真卿の肉筆の書は中国人の心を深く感動させるものだった」と語っている。

 この書の希少性は、1000年以上も前の書がそのまま保存されていること、また、後世に多大な影響を与えた顔真卿の代表作であるからだという。その価値を知る中国人は「顔真卿の悲痛な心と血と涙が如実に紙の上に表れていた」とし、「この国宝を目にすることができたのは、前世から来世にわたる幸せだ」と感極まった様子で伝えた。

 この特別展は2月24日で終了してしまった。今回来場者の半数に当たる5万人もの中国人が東京国立博物館を訪れたのは、中国の春節の休暇と重なったこともあるが、歴史や文化を愛する中国人がそれだけ多いことを示していると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)