日本経営管理教育協会が見る中国 第556回 ――三好康司

 2018年4月、経済産業省は「キャッシュレス・ビジョン」を発表した。2025年までにキャッシュレス比率を40%程度まで高めるという内容である。私が定期的に業務を行っている東京都墨田区内でも、写真のような光景を見かけるようになった。今回は、キャッシュレス決済について考えて見たい。

1.キャッシュレス決済の種類

 キャッシュレス決済とは何か? 経済産業省は、キャッシュレスとは「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態」と定義している。キャッシュレス決済の種類については、主に「接触型」、「非接触型」、「コード読み取り型」の三種類があるようだ。「接触型」はプリペイドカードやクレジットカード、「非接触型」は電子マネーである。そして、「コード読み取り型」は、Pay Pay、楽天ペイ、Origami Pay、LINE Payといったスマホアプリを通じてQRまたはバーコードを読み取り決済する方法であり、最近脚光をあびると共に、市場獲得のため、運営各社の競争が激化している。

2.世界のキャッシュレス決済の現状

 わが国の2016年のキャッシュレス比率は19.8%である。日本人はまだ現金志向が強いようだ。2016年で比較すると、韓国は96.4%、中国は約60%(推定)、シンガポールは58.8%となっており、わが国のキャッシュレス比率がかなり低いことが分かる。私自身も、「キャッシュレス決済で買い物をしすぎるのは危険である」という考えがあることは否めないが、海外では想像以上にキャッシュレス決済が進んでいることに驚く。(以上、出展:野村総合研究所「キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識」より)

3.キャッシュレス決済のメリット

 キャシュレス決済を推進するメリットは何であろうか? まず、来日観光客の消費取り込みによる小売店・飲食店などの売上アップが挙げられる。2018年の来日観光客は3,000万人を突破しており、わが国は2020年、4,000万人の目標を掲げている。海外では、はるかにキャッシュレス決済が進んでおり、来日観光客の利便性を高める上でも、キャッシュレス決済に対応していくことが欠かせない。キャッシュレス決済は、店舗に「読み取り機」を設置することが不可欠であるが、「コード読み取り型」などでは、運営企業が「読み取り機」を店舗に無償で提供する動きも出てきているようだ。

 次には、少子高齢化が進み、人手不足への対応が課題であるわが国では、現金授受に比べ、キャッシュレス決済は従業員の手間の削減・業務の効率化に繋がる。以上のように、キャッシュレス決済は、わが国経済へのプラスの影響も多い。

 私も、試しに「コード読み取り型」アプリの一つであるPay Payをダウンロードしてみた。すると、早速「500円のポイント」が付与された。500円分の買い物がタダでできるものである。さらに、買い物をするたびにポイントがついていくようで、まわりでもキャッシュレス決済を増やす人が多くなってきている。私も古い考えを改め、キャッシュレス決済を進めてみようと思う。(写真は、墨田区内の光景。提供:日本経営管理教育協会)