最近、中国では有機栽培を広めている日本人男性が有名になっている。中国人からは、退職後の悠々自適な生活を後にして中国の食の安全のために尽力してくれる、徳のある人だと称賛されているようだ。中国メディアの今日頭条は23日、この男性に敬意を表しながらも、日本から伝わっている有機農法は「中国でも古くから行われていたが、中国人が捨て去ってしまった方法」だったと主張する記事を掲載した。

 記事はまず、この男性が中国を助けようとしてくれている「精神は尊い」と称賛し、日本の農業が中国よりも進んでいることも認めつつ、「有機農法はもともと中国にもあった方法だ」と指摘している。

 記事によると、最近中国で注目されている日本の有機農法は、化学肥料を使用せずに発酵したたい肥を使う昔ながらのやり方に、現代の方法を加えたものだという。記事は、日本の農業は「秦の時代に中国から伝わったもの」だと主張。これは、秦の始皇帝の時代に徐福が五穀の種子と若い男女ら3000人を連れて日本に来たという説を指しているようだ。

 とはいえ、現代の日本農業から学ぶことは多いとも指摘している。記事の中国人筆者は、日本の農業を視察した経験から、山地が多く小型の機械を使う日本の農業は、中国と違ってそれぞれの地域に合った多様な作物を作っていると紹介。そのために、ニンニクが高値で取引されていると知ると全国の農家がニンニクを作り始めるような中国とは異なっているという。

 また、日本では「食の安全への意識」が高く、化学肥料を使わない栽培は安全だという意識が深く根付いていることや、どれもきれいに包装されていて、当日売り切れなければ捨てるというのも中国の農家が学ぶべき点だと紹介している。記事は最後に、有機農法は「中国でも古くから行われていた」農法だと再び念を押しながらも、中国は土地も資源も豊富なのだから、それを活かして日本のようにそれぞれの地域に合った農作物を栽培するように促して結んだ。

 有機農法の起源が中国であるかどうかは別として、化学肥料が発明される前はどこの国も家畜などの糞を利用した「有機農法」だったのは言うまでもない。現代中国は、化学肥料に頼りすぎて有機農法が完全に失われてしまったため、日本から取り入れることになったといえる。新しいものを取り入れることが早い中国だが、古き良きものを残すという点では日本から学べるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)