高齢化が進む日本だが、日本の高齢者は心身ともに元気だと言えるだろう。退職しても仕事を続ける人、ボランティアに携わる人など社会とつながる活動に忙しくしている人は多い。この点、日本よりも退職が早く、退職すると毎月受け取る退職金で悠々自適に過ごす中国人とは大きく異なっていると言えるだろう。

 中国の高齢者は、退職後は孫の面倒をみるのを生きがいにする人が多く、麻雀などに明け暮れる場合が少なくない。日本人のように高齢になっても働き続けたいと考える人はほとんどいないようだ。中国メディアの今日頭条は20日、「73歳の日本のおじいさん」が10年もの間、中国で循環農法を無償で教えてきたことを紹介した。自ら進んで中国の100以上の農場を渡り歩き、技術を提供してきたそうだ。

 この男性は、2009年から中国で農業を始めたが、それは知識も技術もない中国の農業を変えて、安全な作物を作れるようにしてあげたいという一心からだという。「退職後は社会貢献をしたい」という立派な思いで海外にまで行ったわけだが、現地の中国人からは当初、「詐欺師」、「頭がおかしい」と思われていたという。

 記事は、この男性がこの10年間どれだけ苦労してきたかを紹介。日本よりも英語ができると聞いていたのに、中国の農村では英語が全く通じず、何千年もの歴史があるはずの中国の農業は農薬まみれで非常に遅れていることに驚いたそうだ。もちろん「循環農法」を知る人などいないひどい有様だったが、むしろ「死ぬまで中国で農業をする」という生きがいを見つけて、妻子の反対を押し切って10年も中国で働いたという。

 2009年から100以上の農場を渡り歩き、2014年にようやくある非常に貧しい農村でその知識と技術が認められ、その村は循環農法を実践することで貧困から脱することができたと記事は紹介。この話は多くの中国人の感動を呼んだようで、この記事に対するコメントは1日で7500件以上も寄せられた。多くはこの男性のゆるぎない信条を称賛するもので、中国も日本人の民度や地道に働く精神から学ぶべきだなどのコメントが目立った。

 中国は反日感情が強いが、こういった実話に感動する人は多いようだ。高齢になっても金儲けを度外視して勤勉に働き、それを生きがいにするというのは立派な志である。中国人はもちろん、同じ日本人としてもこの精神から学びたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)