香港メディア・亜太日報は20日、「中国人があれほど嫌いな安倍晋三首相が、どうして日本で最も在位期間の長い首相になろうとしているのか」とする記事を掲載した。

 記事は、安倍首相が2012年12月に首相に返り咲いて以降、20日現在で在位日数が2248日に達しており、このまま政権を維持すると6月には伊藤博文、8月には佐藤栄作、そして、11月20日には桂太郎を抜いて、史上最長の在任期間を持つ首相になると紹介。第1次安倍政権はわずか366日で終了し、その後4年間で首相が5人誕生するという混迷の状況を経たのち、再び首相の座に着いた安倍氏がこれほど長く在位していることについて「考察しない訳にはいかない」とした。

 そして、第2次安倍政権が長続きしている背景としてまず、日米同盟を重要視する姿勢を挙げ、「戦後の日米同盟関係は日本の政治を左右する基盤となっている。12年末に安倍政権が発足した際、米国はオバマ政権の第2期がアジア太平洋回帰政策を取り始めていた。そこで安倍首相は真っ先に日米同盟関係の再強化に乗り出したのだ」と説明した。

 また、16年11月にトランプ氏が大方の予想に反して大統領選で勝利を収めると、外交儀礼を顧みず真っ先に米国に向かい、まだ大統領就任前の平民だったトランプ氏に会って個人的な関係構築を図ったと指摘。「この柔軟さには感服を禁じ得ない。そして、一番大事なのは安倍首相が時勢に適応して日米同盟の原則を堅守したこと。これが、長期政権の道を作ったのだ」と論じている。

 さらに、第2次安倍政権では党内の盟友を積極的に抱き込んで政権基盤を強化したうえ、タイミングを見計らって衆議院の解散総選挙に打って出るしたたかさを見せたことで、野党はおろか自民党内にも完全に匹敵するライバルが存在しなくなったことも政権長期化の一因担っていると解説した。

 記事はこのほか、長期政権により日本の政局は安定し、「アベノミクス」も良好な世界経済環境の下で日本経済を小幅ながらも回復させて雇用、賃金、GDPを増加させていることから、変革を叫ぶ声も弱っていると指摘。「安倍首相や自民党が民意の赴くところ、というよりも、日本人には安倍首相よりも良い選択がないということだ」としている。

 軍国主義復活、右翼政治家、米国の駒など、中国のネット上における安倍首相の評価は確かに良好とは言えない。昨年からの日中関係回復によりそのトーンは若干弱まった感はあるものの、それでもやはり中国に「安倍嫌い」は多いようである。ただその一方で、中には「中国人としては憎いが、日本の首相という点では、適格なのかもしれない」と評価する中国のネットユーザーも時折見受けられる。長期政権を築いているということで、安倍首相に対する中国国内の評価も微妙に変わり始めているのかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)