みずほフィナンシャルグループは2月20日、みずほ銀行を含む約60の金融機関が協働する銀行系デジタル通貨のプラットフォームとして、QRコードを活用したスマホ決済サービス「J-Coin Pay」を3月1日からスタートすると発表した。同日、記者説明会を開催し、みずほフィナンシャルグループ取締役兼執行役社長グループCEOの坂井辰史氏は、「歴史ある決済インフラである預金口座の強みを最大限に発揮し、提携金融機関の協力のもと、日本のキャッシュレス化を促す社会インフラとして普及をはかりたい」と事業を展望した。

 「J-Coin Pay」は、全てのユーザー間での送金が即時、かつ、無料で行える「送る/送ってもらう」、QRコードを使った決済ができる「支払い」、また、銀行口座とアプリの間で「チャージ/口座に戻す」などの機能が、スマホ上のアプリをつかって、いつでも・どこでも・無料でできるサービス。1コイン=1円で、1円以上で利用できる。

 坂井氏は、ブロックチェーン技術など先端の金融技術を使わずに既存の電子マネーのシステムを使う簡便な電子決済の方法を取り入れたことについて、「今年10月に予定される消費増税、また、来年夏の東京オリンピックに向けてキャッシュレス社会を推進していくためには、直ちに開始できるメリットを優先した」と語った。政府のキャッシュレス社会推進政策を後押しし、消費増税時の税率還元などに利用する電子決済方法として使うことも想定した社会インフラとしての側面を強調した。

 また、グループのチーフ・デジタル・イノベーションオフィサーである専務執行役員の山田大介氏は、既存のシステムをカスタマイズして使うため、「加盟店の手数料はクレジットカードよりも低い料率を永続的に実現し、加盟店の導入費用もスマートフォンやタブレット端末があれば導入可能と非常に低コストである」と語った。さらに、「J-Coinは、仮想通貨やポイントなどとは異なり、銀行が発行する電子マネーであるため、資金移動の金額に法的な上限がない。当初は、個人間の送金や決済を対象にサービスを開始するが、将来は手形の代わりにJ-Coinを使うなど、B2Bで利用する決済手段としての活用を視野に入れている」と展望していた。

 「J-Coin Pay」に参加する金融機関は、北海道銀行、北洋銀行、青森銀行、山形銀行、みちのく銀行、七十七銀行、秋田銀行、東邦銀行、北都銀行、北日本銀行、荘内銀行、福島銀行、群馬銀行、新生銀行、足利銀行、東和銀行、常陽銀行、栃木銀行、筑波銀行、みずほ信託銀行、千葉興業銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行、第四銀行、大光銀行、北陸銀行、長野銀行、富山銀行、富山第一銀行、大垣共立銀行、名古屋銀行、十六銀行、第三銀行、三重銀行、滋賀銀行、京都銀行、池田泉州銀行、但馬銀行、鳥取銀行、山陰合同銀行、中国銀行、広島銀行、山口銀行、トマト銀行、もみじ銀行、阿波銀行、四国銀行、百十四銀行、愛媛銀行、伊予銀行、高知銀行、筑邦銀行、宮崎銀行、佐賀銀行、西日本シティ銀行、肥後銀行、北九州銀行。引き続き、参加金融機関を広げ、信用金庫、信用組合、労働金庫にも拡大する計画だという。

 加盟店として導入を検討している企業は、ウエルシア薬局、100円ショップ「ザ・ダイソー」、ビックカメラ、ヤマダ電機、ファミリーマートなどの小売、すかいらーくグループ、ロイヤルホールディングス、松屋などの外食、日清食品グループやサッポロビールなどの食品、コスモ石油や東急電鉄、JR東日本やJapanTaxiなどのサービス企業群などに広がっている。

 3月1日からみずほ銀行の預金口座からチャージが可能となり、一部の加盟店の間でサービスが始まる。3月25日以降に地域金融機関などで順次、預金口座との入出金が可能になる。また、4月以降には、中国のUnionPay(銀聯)、Alipayとの連携を開始し、その他のアジア、米州、欧州のQRコード決済サービスとの連携も広げていく計画にしている。(写真は、「J-Coin Pay」の記者説明会で。写真左がみずほフィナンシャルグループ執行役社長の坂井辰史氏、右が同専務執行役員の山田大介氏)