初めて行く場所でも、スマホの位置情報を見ればまず迷うことはない。ランニングアプリと連携させれば、走った距離を簡単に記録できる。そんなふうに近年、日本人にとって非常に身近な存在となったGPS機能。中国メディアの泰伯網は12日、中国の衛星測位システム「北斗」(ほくと・Beidou)とアメリカのGPSを比較し、その優劣について「外国メディアにまどわされるな」とする記事を掲載した。

 「北斗」システムの衛星はGPSより10基近く多い。アメリカの第3世代GPS衛星の打ち上げは計画より4年遅れている。このため、イギリスのあるメディアが「中国が宇宙競争をリードしている」という主旨のニュースを報じた。しかし、泰伯網の記事はそれに対し、「事実は本当にそうだろうか?」と疑問を投げかけている。

 現在、「北斗」の主なユーザーは中国の軍関係機関であり、中国国内でも「民間のナビゲーションシステムは大部分がGPSを使用している」という。記事は、位置情報の精度、サービスエリアの広さ、市場占有率などにおけるGPSの優位点を列挙し、「総体的に見て北斗はまだまだGPSに後れを取っている」と分析。「イギリスのメディアにおだてられて調子に乗ってはいけない。遅れを直視し、努力を重ねて中国とアメリカの差を縮め、完全に逆転しなければ」としめくくった。

 これまで一般的に、「北斗」システム独自の特徴といえば、位置情報だけでなくショートメッセージ通信が可能という点だった。記事は、このショートメッセージ機能が災害救援に活用された事例を紹介する一方、昨年12月に打ち上げられたアメリカ初の第3世代GPS衛星が「北斗にならってショートメッセージ機能を追加した」とも指摘している。当面はGPSの優勢が続きそうだが、今後、特に民間市場で「北斗」がどのような追い上げを見せるかに注目したい。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)