日本は今年で猪(イノシシ)年だが、中国で「猪」は豚を意味する。干支が日本に伝わった際、日本は豚になじみがなく、イノシシに変わったと言われている。ゆえに、干支にイノシシがあるのは日本だけ。本来は、豚なのだ。

 ではその豚であるが、日本においても中国においても、いい印象を抱く人は少ないだろう。

 しかし、実はその豚、多くの人が知らない数々の特徴がある。

 猪年を迎えるにあたって中国メディアの唔哩頭條は、9000年にもわたり人類の生活に密接にかかわってきた豚の生態をまとめた。

 記事は、そのコミュニケーション能力の高さ、綺麗好き、実はグルメで15,000種の味蕾(食べ物の味を感じる器官)を舌の上に有しているなど、数々の豚の優等生ぶりを紹介している。人間にあると言われている味蕾9,000種と比べれば、豚の方がより食を楽しんでいるようだ。

 人と豚の関わりは、食用の豚肉だけではない。なんと豚の体内器官は人間のそれと性質が非常に類似しており、現に豚の心臓弁膜が人間に移植された実例もあるとのことだ。更に、1980年代から豚体内のインスリンは、人間の糖尿病治療に利用されている。今地球上には約20億頭の豚がいると言われており、そのうち9,000頭は中国で家畜として飼われている。この数は世界一で、アメリカがそれに次ぐ。

 中国で「猪」は十二支のうちでも、勤勉、質素倹約、誠実さを象徴とする動物だった。それがなぜか、日本でも中国でも、豚という言葉はネガティブな形容詞で使われる事が多く、おそらく「西遊記」の猪八戒の影響だろう。

 実は人間に近い動物だった豚。数々の豚の生態を知れば、豚と言われるのも褒め言葉に聞こえる日が来るかもしれない。(イメージ写真提供:123RF)