日本経営管理教育協会が見る中国 第553回 ――下﨑寛

 外国人労働者の受け入れを拡大する入管法改正が2018年12月8日に参議院で可決成立し、2019年4月より、外国人労働者に対する門戸が開かれ新しい制度が始まる。

 この改正の趣旨は、従来、外国人が我が国において報酬を伴う活動をするには、原則として高い専門性を有する在留資格、医療・法律・会計業務・研究等に限定しており、建設、農業等に従事する外国人単純労働者の入国を認めていなかった。

 一方、外国人技能実習制度をつくり、建設業・農業等について外国人技能実習生の受け入れを特別に認めるという、緊急避難的な制度で対処していた。

 しかし、外国人技能実習制度は、基本理念として労働力の需給の調整の手段として行われてはならない旨規定しているにもかかわらず、基本理念に反し、労働力の需給の調整の手段として技能実習制度が利用されているとの問題があった。

 そこで、今回、入管法を改正し、建設業や農業等の特定産業分野の深刻な人手不足に対応し、一定の技能を有する外国人の受け入れ拡大を図るべく新しい在留資格「特定技能」を創設した。法務省が検討している分野は、介護業、外食業、建設業、ビルクリーニング業、農業、飲食料品製造業、宿泊業、素形材産業、造船船用工業、漁業、自動車整備業、産業機械製造業、電気等情報関連産業、航空業の14業種となっている。

 新しい在留資格「特定技能」1号は、前述した特定産業分野であって、日常会話程度の日本語能力試験及び政府が特定技能評価試験を外国で実施し、合格した者とされている。当該試験は、当初、中国、ベトナム、フィリピン、インドネシア、タイ、ミャンマー、カンボジア、他1国(調整中)の8国において実施される予定である。ただし、技能実習生として3年以上の経験を有する者は、当該試験は免除され、在留資格「技能実習」からの変更を想定している。

 新しい在留資格「特定技能」2号は、日本において特定残業分野であって法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動ができることとなっている。「熟練した技能」には、原則として在留資格「特定技能」1号を有する者を対象とし、更に高度の試験に合格することが必要とされている。例えば、建設業の現場監督等が該当するようだ。

 また、「特定技能」1号は5年の有期とし、在留資格「特定技能」2号は他の在留資格と同様に5年以後も更新することができる旨、検討するとしている。

 在留資格「特定技能」2号については、その外国人の配偶者又は子は、在留資格「家族滞在」により来日することができる。又、その外国人が原則として引き続き10年以上本邦に在留しているとき、永住許可申請をすることができることとなっている。

 一方、在留資格「特定技能」1号を有する外国人は、在留期間が5年の有期であることから、配偶者又は子の「家族滞在」は認められず、永住許可申請もできない。

 この入管法の改正は、移民制度の試金石であり、日本独特の外国人労働者の活用を図る重要な施策である。拙速との反対意見があるが、まず、行うことに意義があるものと考える。(写真は、フィリピン入管。提供:日本経営管理教育協会)