モバイルに特化した調査研究機関MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)は2019年1月に、スマートフォンを所有している成人男女を対象にした「QRコード決済サービスの利用に関する調査」を実施した。その結果、日本におけるQRコード決済を利用している人は全体の10%程度で、依然として「クレジットカードで十分だから」と考えている人が多いことが分かった。QRコード決済は、まさに「黎明期」にあり、今後の展開に注目したい。

 QRコード決済は、中国ではオンラインショップのアリババグループが運営する「AliPay」、大手SNSを運営するテンセントが展開する「WeChat Pay」が爆発的に普及し、一部の都市では「財布を持たない生活が当たり前」といわれるほど、日常生活に浸透している。日本でも、オンラインショップ系の「楽天ペイ」や「Amazon Pay」、また、SNSをベースにした「LINE Pay」などがサービスを開始し、QR決済に特化した「PayPay」が大規模な利用促進キャンペーンを展開して話題を集めている。

 MMD研究所のアンケートは、2019年1月8日~1月10日の期間に実施し、20歳~69歳の男女887人の有効回答を得た。その結果、スマートフォン所有者が現在利用しているQRコード決済サービス、トップは「楽天ペイ」(9.4%)、次いで「PayPay」(8.1%)、「LINE Pay」(7.9%)の順。「d払い」(6.9%)、「Amazon Pay」(3.7%)、「Origami Pay」(2.9%)が続いた。

 QR決済の利用者がQRコード決済を利用する理由のトップは、「ポイントがたくさん貯まるから」(39.4%)、次いで、「会計がスピーディーに終わるから」(31.9%)、「キャンペーンを知って興味を持ったから」(26.6%)が上位で、決済事業者が打ち出している利用促進策に興味を持って使い始めていることがうかがえる。

 一方、いずれのQRコード決済サービスも利用していないと回答した699人を対象にQRコード決済を利用しない理由を聞いたところ、トップは「クレジットカードで十分だから」(43.1%)、次いで、「現金で十分だから」(23.6%)、「個人情報や決済情報が漏洩しないか不安だから」(21.6%)が続いた。

 未利用者のQRコード決済への意識を聞くと、「店員にコードを読み取ってもらうタイプ」を利用してみたいという回答は24.7%、利用したくないという回答は39.4%だった。一方、「自分で店舗側のコードを読み取るタイプ」を利用してみたいという回答は24.1%、利用したくないという回答は35.8%だった。いずれにしても、「利用したくない」という回答が多くを占め、「個人情報や決済情報が漏洩しないか不安だから」というQR決済に感じているリスクについて、サービス各社がいかに不安解消につながる実績を残していけるかが問われているようだ。(イメージ写真提供:123RF)