中国では、学校やメディアなどを通じて愛国教育と反日教育が行われており、その効果は十分に出ていると言えるだろう。幼い子どもですら、日本人に対して「日本鬼子」との蔑称を使うほどだ。屈辱の過去は決して忘れないといったスローガンを繰り返し、国民の意識に日本への憎しみを刷り込んできた。しかし、戦争で被害を受けたすべての国が同じことをしているわけではない。中国メディアの捜狐は31日、「米国人を憎まない日本人の感覚が分からない」とする記事を掲載した。

 記事はまず、第2次世界大戦が世界に与えた破壊力を振り返った。戦勝国・敗戦国の別を問わず、すべての国が打撃を受け、本当に益を得た国は1つもなかったと指摘。中国ももちろん大きな損失を受けたが、日本の受けた打撃はなんといっても人類史上初となる原子爆弾の投下で、これまでにない破壊力だった。

 記事の中国人筆者は、「この道理で言えば、日本は米国を非常に憎み恨むべき」なのに、それが全く感じられないと指摘。日本人は米国に「むしろ感謝」さえしていると当惑気味に伝えた。実際、今の日本人で米国や米国人を「非常に憎み恨んでいる」人はあまりいないだろう。これは反日感情の強い中国とは対照的だ。では、なぜ「日本は米国を憎んでいない」のだろうか。

 筆者は、「日本は原子爆弾を投下される前から攻撃をある程度予測し、投降を考えていた」と主張。日本全体が全面攻撃をしている中での原爆投下だったらもっと被害はもっと大きくなり、天皇の名声にも影響を与えかねなかったが、そうではなかったとも指摘した。その上、戦後の米国による経済的支援と改革が日本の急速な経済復興を促進したことは明白であり、日本には米国を恨み続けるよりも、むしろ感謝さえする心境になったのだと分析した。

 このように分析してはいるが、中国人には日本人の心理を十分に理解するのは難しいだろう。そもそも、過去のことに囚われていてばかりでは、未来志向の関係は生まれない。この点で日本人の考え方が、中国の「攻撃してきた相手への憎しみは忘れてはならず、代々受け継がせる」愛国教育とは全く違うと言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)