日本を訪れる中国人観光客の中には、上空の電線の多さに驚きを覚える人もいるようだ。「どうして地中に埋めないのか」と思うようだが、地中化は単に土を掘って埋めればいいというほど単純なものではない。他のパイプやケーブルとぶつからないよう敷設計画を立てるなどの手間暇がかかるのだ。

 中国メディア・上観は1月31日、「日本では下水やガスの地下管路を80年間使えるのに、どうしてわれわれはたった13年で全部掘り起こさなければならないのか」とする記事を掲載した。

 記事は、これまで中国の都市開発においては「スピード」を第一の指標とする風潮がもてはやされていたと紹介。一方で近ごろでは「急いては事を仕損じる」と考えられるようになり、スピードよりも質を重視する発展が国内の共通認識になっているとした。しかし、それでもなおスピードばかりを求めようとする行動が様々な場面で見られると指摘している。

 また、都市の建設や管理では特に多くの点において急いではならず、地下に埋設する下水管やガス管など、リスクが高いうえに地上からは見えない設備については特に慎重さが求められるとする一方で、現実には「見えるものだけ重視し、見えないものは軽視する」現象がなおも後を絶たないと指摘。「ドイツや日本に比べるとその差はあまりにも大きい。どうして彼らのパイプは80年、100年と使用可能なのに、われわれの所では13年で完全に掘り起こす工事が発生してしまうのか」と疑問を投げかけた。

 記事はそのうえで、近年中国国内でもてはやされている「匠の精神」について言及。真の「匠の精神」とは、単なる「完ぺき主義」ではなく、長期的な効果という観点から全体を把握し、考えることに通じるとした。そして、地下管路についていえば「1本のパイプがどれだけ長持ちするかを知り、なおかつ埋設後に出現するであろう問題をはっきりと認識したうえで、最高の品質を確保しなければならない。最初の努力があってこそ、その後の安心や効率の良さが得られるのだ」と論じた。

 さらに、「スピードを重視しない」ということは行動をむやみに引き延ばすことでは決してなく、計画やデザイン、意思決定を細かい部分まで念入りにやることであると指摘。「計画時により厳密に、周到にやっておけば、その後の事がスムーズに運ぶのだ」としている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)