トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。

 今回は2019年1月2日~1月8日「行った」ランキングから、空の玄関口という役割でありながら、積極的な施策で訪日中国人の心をつかんだ、あるスポットの人気ついて分析してみたいと思います。

 まずランキングトップ10はこちら。

2019年1月2日~1月8日 「行った」ランキング

1位 沖縄
2位 ドン・キホーテ
3位 札幌
4位 由布院
5位 SUNTORY 山崎蒸留所
6位 明治神宮
7位 別府温泉
8位 奈良公園
9位 鹿苑寺金閣
10位 京都駅JR伊勢丹

◆今週の中国人気訪日クチコミ:「中部国際空港」

 日本国内にある空港の中でも人気上昇中なのが「中部国際空港」です。セントレアの愛称で親しまれている中部国際空港。ここ最近では、訪日中国人客に人気の空港となっています。アクセスの良さも理由の一つですが、彼らを魅了する他の理由があるようです。

◆地の利:ゴールデンルートの通過点

 中部国際空港は、愛知県常滑市にある国際空港で、愛称はセントレア。

 観光庁の集計データによると中国人が利用した空港は入国と出国を合わせて1位が関西国際空港、2位が成田国際空港、3位が東京国際空港、そして、4位に中部国際空港が入っています。

 同空港を最も利用した訪日外国人は、出入国ともに中国人観光客が占めています。空港では中国人観光客の増加と爆買いの効果があって、免税店などの商業事業の収入も大幅増となり利益は過去最高を記録しているほどです。

 さらに困っている人にすぐ声かけするなど、施設内のスタッフのサービスも好評となっています。

 地理的には、インバウンド市場における最大の観光ルート「ゴールデンルート」の通過点となっている愛知県にあることもあり、訪日外国人観光客の訪問率、訪問数など、インバウンド需要の取り込みに成功しているといえるでしょう。

◆空港も「ダブルイレブンキャンペーン」?

 中部国際空港では、中国人観光客へ向けた様々な取り組みを実施し、好評を得ています。

 始まりは、2013年10月からの国際線制限エリア内免税店における中国人スタッフによるコンシェルジュサービス。翌年には、セントレアWeb中国語サイトを全面リニューアルし、旅前の旅行者にアピール。

 また、2016年には、買い物好きな中国人観光客向けに、免税品予約Webサイトの中国語対応を開始し、予約受付も始めました。

 さらに中国本土向けセントレア情報発信Webサイトを公開したり、中国版Twitter微博での情報発信も開始しました。

 2017年9月からは、「Alipay」と「WeChat Pay」の取扱を開始し、買い物客の満足度も高めることができたようです。もうすぐ迎える春節時期の膨大な訪日客も、難なくこなせることでしょう。

 中国語スタッフを積極的に採用したり、早くから訪日中国人に向けたインバウンド対策を実施してきた中部国際空港。

 2017年には中国で最大の小売り商戦「ダブルイレブン(11月11日の独身の日)」に、中国へ向かう便の利用者を対象に、記念品プレゼントなどを行う初のキャンペーンを実施。

 このイベントはセントレアと中部地域の認知度向上が狙いで、限定のオリジナル記念品をプレゼントしたり、微博を使ったプレゼント施策や免税店の購入者を対象にしたキャンペーンなど、ユニークな取り組みも行われていました。

◆本気の情報発信で他空港との差別化!?

 増加する訪日中国人への情報提供を充実させるために、微信の公式アカウントも開設。

 これにより、情報が届きにくいといわれる中国本土の利用客に対して、使い慣れたアプリを通じてお得な情報やキャンペーン情報、この地域の魅力的な情報などを提供しています。また、訪日後も情報配信が可能になるので、再訪日を促すことや、フォロワーの口コミ拡散による新規訪日旅客の獲得を狙うことができるようになりました。

 とある訪日中国人が、「中部国際空港には何でもそろっている。エレベーターは広く、通路も広いが、施設同士の距離は近いため、観光客の移動時間が短くて済む。空港内にはうなぎや味噌カツといったご当地料理や、免税のユニクロ店舗もある。フライトまで時間がある場合は、飛行機を見ながら入れるお風呂もある。」などと、SNSを通じてその魅力を伝えているほどです。

 また、昨年の台風21号の影響で関西国際空港が閉鎖した際は、訪日観光客が日本での滞在を余儀なくされている状況を受けて、春秋航空や吉祥航空、中国南方航空などの航空会社各社が、中部国際空港から中国の上海やハルビンに向かう臨時増便を行いました。

 この時の利用体験が口コミで広まり、利用者がさらに増えているようです。(情報提供:中国トレンドExpress)(イメージ写真提供:123RF)