中国メディア・東方網は29日、サッカーアジアカップ準決勝で日本がイランを3-0で破ったことについて「中国代表に欠けているのは、『匠の精神』だ」と中国国内のサッカー評論家が指摘したと報じた。

 記事は28日に行われた日本―イラン戦について、今大会で唯一失点を記録していないイランと、これまでの5試合すべて1点差で勝利してきた日本という対照的な戦いは、拮抗した実力とは裏腹に3-0という一方的なスコアで日本が勝って決勝に進出したと紹介。一方で敗れたイランについては「試合で負けたうえ、風格で負け、さらに人として負けた」と厳しい評価を与えた。

 そのうえで、中国中央テレビ(CCTV)の解説者である劉嘉遠氏がこの試合後に「中国代表に欠けているものは何か。それは、われわれが提唱し続けてきた『匠の精神』だ。では、匠の精神とは何か。簡単に言えば、研鑽を積み上げていく力だ」と指摘したほか、「一匹狼は怖くない。怖いのはオオカミの集団に囲まれることだ」とし、個の力よりもチーム力を重視すべきだとの見方を示したことを伝えている。

 記事は劉氏の発言を支持する姿勢を見せ、「われわれは様々な業界において『匠の精神』を提起しているが、サッカーの分野ではいまだにこの精神が見られない。中国代表は前から日本代表に学ぼうとしてきたが、それを長続きさせる心構えが不足しているのだ。アジアカップ、ワールドカップと、大きな大会があるたびに日本サッカーを羨ましがっている状況だが、大切なことはいたってシンプル。それは、たゆみなく続けることなのだ」と論じた。

 さらに、「中国は目の前の状況を見ずに自分たちのサッカーの道を作ろうなどと思ってはいけない。まずは日本のユース育成体系を学んでからだ。有名な外国の選手や監督を呼ぶよりも、自分の弱点のありかを真剣に見定めるべきだろう」としている。

 中国は準々決勝でイランに3-0で敗れており、イランも日本に3-0で敗れたことから、中国国内では「中国は結果的に日本に0-6で負けた」と考えている人もいるようだ。大会前には日本との戦いを期待する声もあったようだが、強豪イランに完勝した日本の戦いぶりを見て「当たらずに終わってよかった」とため息をついた中国のサッカーファンもいたかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)