中国の第5世代(5G)移動通信サービスは、2020年の商用化を目標にインフラ整備が進んでいたが、昨今の動きをみると2019年に大規模なプレ商用展開をめざして投資が前倒しで進み始めているようだ。1月22日に北京市政府が発表した「5G産業発展行動方案(2019~2022年)」によると、22年までに累計300億人民元(約4800億円)超を投資し、都心エリア(東城区、西城区など)、副都心エリア(通州区)などをカバーするネットワークを構築するとしており、計画が地方政府レベルでも具体化していることがうかがえる。

 中国の5Gサービスについては、工業情報化部が1月10日に、国内の一部エリアを対象とした臨時の5G事業ライセンスが近く発給されるとの見通しを表明。2019年下半期には、スマートフォンなど5G対応端末が相次いで発売される見込みとした。

 また、国家発展改革委員会の連維良・副主任はテレビのインタビューに答え、19年の重点投資分野として、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)などの「新型インフラ」を挙げ、これに向けて5G商用化を急ぐ方針を示した。

 民間ベースでも、インターネットサービス中国最大手の騰訊(テンセント)が、スマート医療の分野でドイツの化学品・医薬品メーカーのメルクと戦略提携することが明らかになった。テンセントはスマホアプリの「微医(ウィードクター)」を傘下に持ち、病院の予約や電子処方箋の管理・発送などが可能なオンライン医療プラットフォームを作っている。既に全国2700余りの病院システムに接続され、登録ユーザーは1億1000万人に達している。メルクとは、メルクが注力するアレルギー症、不妊症、糖尿病、甲状腺疾患、心血管疾患などの分野で提携し、スマート医療サービスのモデルを高度化するという。

 中国では、5Gインフラ計画が着実に推進される一方で、そのインフラを利用した具体的なサービスを巡って、関連企業から様々な構想が語られるようになっており、5G時代に向けた期待が一段と高まっている。(イメージ写真提供:123RF)