台湾・台北故宮博物院の「祭姪文稿(さいてつぶんこう)」が、今月16日から東京・上野の東京国立博物館で展示されている。台湾でさえ2008年の「晋唐書法展」から展示していない貴重な書であり、国内外から非常に注目されているが、中国大陸では「台湾人が日本に媚を売っている」と批判的な声もあるという。中国メディアの一点資訊は21日、なぜ台湾がこれほど親日なのか分析する記事を掲載した。

 台湾人の親日感情について記事は、台湾には建物から食習慣、ブランドなど、日本のものであふれていて、「台湾に行くと日本にいるような感覚に襲われるほど」だと紹介。テレビを付けても日本の番組が多く、「弁当、看板、注文、中古車、幼稚園」などの日本語は台湾ですっかり定着しているとも伝えた。

 なぜ、台湾はこれほど親日なのだろうか。記事の中国人筆者は要因の1つは「高齢者が日本を恋しく思っている」ことにあると分析。台湾の若者は、最近の日本の文化やアニメなどを好むが、日本統治時代を経験した台湾のお年寄りは、その後に中国大陸からやってきた国民党の支配があまりにひどかったため、日本統治時代の良い面ばかりが記憶に残り、「日本を恋しく」感じているのだという。実際、台湾の高齢者の中には今でも日本語を話し、「若いころは日本人だった」と昔を懐かしむ人もいるほどだ。

 このほか、記事は独立傾向の強い民進党の影響もあると分析。意図的に日本の植民地支配の本質を隠し、台湾の現代化に貢献した部分ばかりを強調したのだという。記事によると、これは「親日感情を利用して、中国文化や中国人としての身分から引き離す」目的があったからだと主張した。

 とはいえ、今回の「祭姪文稿」の日本への貸し出しについては、台湾人からも疑問の声が出ている。それで「親日の雰囲気が濃厚な台湾だが、変化も見られる」と記事は指摘した。思わぬところから、再び台湾人の親日が浮き彫りとなった形だが、これからも日台関係を大切にしていきたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)