近年、日本で医療サービスを受けるために訪日する中国人が増えているが、これは日本の医療サービスの質が高いことだけが理由ではなく、安心してサービスを受けることができることも理由の1つとなっている。

 近年の中国では「医鬧」と呼ばれる医療トラブルが頻発していて、「中国の医師は非常に危険な職業」と見なされることもあるほどだ。中国メディアの今日頭条はこのほど、中国で頻発する「医鬧」がなぜ日本ではほとんど起きないのかと疑問を投げかけている。

 「医鬧」と呼ばれる中国の医療トラブルは主に、患者側が医療サービスの質や価格に不満を抱き、医師に暴力を振るったり、病院の設備を破壊したりする行為を指す。日本国内でも中国人患者が日本人医師をナイフで刺すという事件が起きたが、これはまさに典型的な「医鬧」と呼べるだろう。

 記事は、日本人患者が日本国内で「医鬧」と呼べるようなトラブルを起こさないのは、「日本では医師と患者の関係が友好的で、医師という職業が社会から尊敬される職業だからだ」と主張。また、日本では医師の数は決して多くはなく、病院側も医師を大切にしており、良い待遇を提供しているため、医師も患者を適当に扱うことはしないのだと論じた。

 続けて、日本では急病以外は基本的に予約制となっていることが多く、看護師が予め簡単な検査を行ってくれると紹介。病院内で効率的に分業が行われているため、医師に対して過度に負担がかかることもなく、医師は効率よく患者の診察が可能になると指摘した。また、日本では手術を受ける際にも事前に患者や家族に周到な説明が行われ、患者は納得のうえで安心して手術を受けることができると指摘し、こうした仕組みが「医鬧」のようなトラブルを防いでいるのだと論じた。

 中国では医療処置や価格に不満を抱いた患者が医療従事者を恐喝したり、院内でものを燃やしたりする事件が多発しているほか、医師を殴ったり、殺害する事件も起きている。患者側としては「高額な医療費を請求するくせに質は低く、医師の態度も横暴で、袖の下を要求する」というのが「医鬧」を起こす理由のようだが、何れにしても中国の医療現場は崩壊寸前であり、医師は極めて大きなプレッシャーにさらされているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)