経済成長とともに様々な分野で技術力を高める中国。だが、その背後では「なぜ中国の教育は傑出した人物を輩出できないのか」という悩みも抱えている。かつて中国の科学者である銭学森は「中国の学校はなぜ優れた人物を養成できないのか」と問いかけた。この問いかけは「銭学森の問い」と呼ばれ、今も話題になるものの、その問いかけに対する答えはまだ見つかっていない。

 中国メディアの新浪はこのほど、日本が毎年のようにノーベル賞受賞者を輩出できるのは「日本の教育に何か特別な点がある」ためではないかと問いかける記事を掲載し、日本の教育には学ぶべき点があるはずだと主張している。

 記事は、日本が2001年に「今後50年間で30人程度のノーベル賞受賞者を輩出する」と定めてから、わずか18年で18人のノーベル賞受賞者を輩出していると指摘し、すでにこの目標は半分以上達成してしまったと強調。日本が科学技術の分野でこれだけの成績を収めることができるのは「中国の教育と何か違う点があるため」であると主張し、中国人から見た日本と中国の教育の相違について考察した。

 続けて、中国の場合は子どもの頃から知識を詰め込む教育が行われているが、日本の幼少の頃の教育は学業ではなく、協力や秩序、自律といった精神面の教育に重きが置かれていると指摘。また、日本の教育は中国のように「子どもに過度な負担や圧力をかけない」と指摘したほか、夏休みの自由研究に見られるように子どもたちの創造性を伸ばすための教育も行われていると論じた。

 さらに、日本の教育は「一部のエリート」を作り上げるための教育ではなく、すべての国民に平等に提供する裾野の広い教育であると指摘。それゆえ家庭の事情で教育を受ける機会が奪われることはなく、志があればより優れた教育を受けることも可能だと強調した。

 また、中国の場合は教師が別の学校に赴任したり、異動することはほとんどないため、学校によって教育レベルに大きな差が生じ、その差は固定されてしまうのが現状だと指摘。また、豊かな家庭では親は子を良い学校に入れるためにその学区に住所を移そうとするとし、それによって中国では「親の豊かさによって子の学業のレベルに大きな差が生じるのだ」と強調した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)