日本では「姫」と聞くと、身分の高い、あるいは周囲からもてはやされるような女性というポジティブなイメージを抱くのが一般的だろう。しかし、だからと言って中国の女性に安易に「姫」という言葉を用いると不快を与える可能性があるかもしれない。中国メディア・東方網は23日、日本と中国では「姫」の意味が若干異なることを紹介する記事を掲載した。

 記事は、中国の古代の書物や物語などを見ると、「覇王別姫」の虞姫などのように、女性に対して「姫」という呼称を用いるケースにしばしば出会うと紹介。中国で古くから女性の呼称として用いられてきた「姫」は、歴史の変化に伴って持つ意味が変わってきたとした。

 そのうえで、漢より前の時代における「姫」は間違いなく女性に対する尊称、美称だったと説明。その起源は周王朝時代にあり、「姫」を姓に持つ貴族が大いに栄えたことから、元々はその一族の女性のみを刺していたものが、高貴な身分の女性に「姫」をつけて呼ぶのが習慣になっていったと解説している。また、日本では古くからまさにこの意味で使われ続け、褒め言葉、賛美の言葉として定着したことを紹介している。

 一方で、中国では漢代以降意味に変化が生じたと指摘。漢の時代にはまず皇帝の妾のことを姫と呼ぶようになり、それがやがて一般の臣下の妾をも指す言葉になったことで、「姫」のステータスは下がっていたとした。さらに、歌姫、舞姫など古代においては賎しい身分とされた、歌や踊りを生業とする女性に対する呼称となり、賛美の意味合いよりも卑下の要素が強くなっていったと伝えた。

 記事は「現代においても、中国語の『姫』には漢代以前のポジティブな意味合いと、漢代以後に生じたいささかネガティブなニュアンスの両方が含まれている。それゆえ、要らぬ誤解を招かないように、女性に対して安易に『姫』という呼称を用いないほうがいいのだ」としている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)