世の中にはさまざまなスポーツや競技が存在し、プロのリーグ戦や国際大会が行われているが、その注目度はピンからキリまでさまざまだ。実力がなければ注目されない一方、強くても社会の関心を集めなければ人気は出ず、発展が難しくなる。中国メディア・解放日報は11日、日本の囲碁界が、今の中国サッカー業界とまさに同じような状況にあると報じた。

 記事は、かつては日本が圧倒的な強さを誇った囲碁だったが、今では日本の棋士が13年連続して世界のタイトルを逃す状況に陥っており、今世紀に入って急速に成長した中国や韓国に水を開けられていると紹介。その理由について、日本囲碁界の第一人者である井山裕太九段が以前「日本の棋界は青少年に対する囲碁の普及という点で、中国と韓国に遠く及ばない」と語っていたことを伝えた。

 そして「確かに、日本の囲碁界が直面している厳しい状況は、中国サッカーと些か似ている。そして、中国の囲碁界が成功している部分は、ちょうど日本サッカーと図らずも一緒なのである」としている。

 そのうえで記事は、人口が日本の10倍以上にもかかわらずサッカー人口が日本よりはるかに少ない中国で、囲碁を打つ子どもの数が日本よりはるかに多いと指摘。上海では毎月1度の昇級試験に1万人を超える子どもが参加するほか、四半期に一度の段位戦にも2500人前後が参戦すると紹介した。

 また、子どもに囲碁をさせる親は最初からわが子をプロの道に進ませるわけではなく、素養を高める一環と考えており、その中で卓越した成績を挙げた子は、親が全力でプロの道への投資やサポートを行うようになるとした。さらに、国内の大会では子どもたちが一緒に囲碁談義する様子が見られ、普段も時間があればネットで対局する習慣がついていると説明。囲碁を取り巻くこのような雰囲気が、日本にはないとした。

 記事は最後に、中国の囲碁が強くなった背景には「棋士の芽」を育てる基盤ができていることがあるとし、「どんなスポーツでも、ユース育成を大切にしなければいけないのだ」と結んだ。

 中国では囲碁をれっきとしたスポーツとして認識している。彼らにとって両者にはスポーツ競技という共通点があるからこそ、囲碁の状況をサッカーと対比する発想が出やすいのかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)