「宇宙強国」を目指す中国は、衛星打ち上げを活発化させている。中国航天科技集団有限公司傘下の中国長城工業集団有限公司は7日、運搬ロケット1本で人工衛星12基を打ち上げ成功したと発表した。また、8日未明には、四川省の西昌衛星発射センターから、運搬ロケット「長征3号乙」を利用し、月面裏側を観測する予定の無人探査機「嫦娥4号(Chang’e 4)」を打ち上げた。

 北京時間の7日12時12分、甘粛省の酒泉衛星発射センターから運搬ロケット「長征2号丁(Long March 2D)」を発射したが、このロケットではサウジアラビア衛星2基、小型の中国衛星10基を地球周回軌道に投入することを明らかにしている。

 中国とサウジの両国政府は、「宇宙空間の科学技術に関する協力の覚書」を2013年に締結。宇宙分野の提携・交流を進めてきた。サウジアラビア衛星2基地は、国王系の企業が開発。高性能リモートセンシングとして地上を観測する。重量は425kgずつ。寿命は5年に設計されたという。

 この他のロケットに積み込まれた衛星は、北京九天微星科技発展有限公司の7基、長沙天儀空間科技研究院有限公司が3基だ。7基はIoT(モノのインターネット)技術試験機、3基はリモートセンシング新技術試験機となっている。いずれも、これから開発が進む自動運転などのインフラとして重要な役割を担うと期待されている。

 8日に打ち上げられた無人探査機「嫦娥4号(Chang’e 4)」には、ランダーと月面ローバーが格納されている。月面裏側の通信を可能とするために、中国は今年5月、中継衛星「鵲橋(Queqiao)」を事前に打ち上げた。このほか有人宇宙船「神舟」や宇宙ステーション「天宮」の開発を進めている。

 中国の大手通信機メーカーのファーウェイ(華為技術)やZTE(中興通訊)の製品を米国をはじめ、日本、オーストラリア、ニュージーランドなど米国との関係が深い国々で政府調達製品から除外するという動きが広がっている。イギリスでも検討すべきだという主張があるようだ。この調達除外の動きは、ファーウェイやZTEが中国政府と関係が深く、製品の利用を通じて、国家機密が中国に漏れることを防ぐためといわれている。多分に米中の外交問題といえるが、このような摩擦があるからといって、それが技術開発の停滞要因になってはならないという考えもあるのだろう。

 また、7日の打ち上げではサウジアラビアの国王系企業の衛星を運んでいるように、宇宙開発を通じて友好国との関係強化につなげたいという思惑も当然あるだろう。(イメージ写真提供:123RF)