ここ数年メチャクチャなストーリー設定で中国のネット上を賑わし、日本でも「大百科」が出るなど注目された「抗日神ドラマ」だが、最近ではこの話題もすっかりおとなしくなった感がある。一方で、抗日ドラマは中国国内で依然として根強い人気を誇っているようだ。中国メディア・東方網は6日、4年間で6000回以上も日本兵を演じた中国人俳優の生きざまを紹介する記事を掲載した。

 記事は、「国産ドラマの種類は多いが、古代劇と抗日劇は制作スタッフから特に愛されており、実にたくさんの作品が制作されてきた。一部の抗日戦争ドラマは『神ドラマ』と化していたが、その後、お上からの批判もあって状況は良くなったようだ。そして、今では優れた作品も少なからず出ている」と紹介した。

 そして、「抗日戦争ドラマを語るうえで、『日本鬼子』について語らない訳にはいかない。この役をやりたがる人は少ないのだが、ドラマを撮影するうえでは誰かがやらなければならない」とし、4年間に6000回を超える日本兵役を演じてきた俳優・楊磊さんの存在を伝えた。

 楊さんは駆け出しの頃、なかなかチャンスをつかめなかったとのこと。ある日、「なんか悪そうな感じが日本兵にぴったりだな」と助監督の目に止まり、日本兵を演じることになったという。そして、一言のセリフもない、顔も映らないような日本兵役から始まり、やがてセリフを持つ日本の将校役へと「昇進」していった楊さんだが、そこには大きな苦悩があったようだ。「最初は、ちゃんと演じないと監督からダメ出しを食らったが、やがて格好良く演じられるようになると今度は視聴者からクレームが来た。何しろ、嫌われてナンボの役だからね」と楊さんは語っている。

 4年に渡り、数多の日本兵を演じてきた楊さん。「憎まれ役」を演じるうえで、ある境地にも達していた。記事は、「どの日本兵役も簡単そうに見えるが、やってみると、とても難しいことが分かる。毎回撮影前には台本を読み込み、どう演じたらいいかを考える」という楊さんの話を紹介したうえで、「楊さんはもはや『鬼子』役のプロフェッショナルと言える。それゆえ、日本人の役者も彼に演技の手ほどきを受けにやって来ることさえあるのだ」と伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)