製造業において人件費は非常に重要な要素と言えるが、中国経済の発展に伴って多くの外資メーカーがコスト削減のために中国から東南アジアへと生産拠点を移動させている。中国メディアの網易はこのほど、「日系企業をはじめとする外資企業は中国にとどまるべき」との見方を示す記事を掲載した。

 「メード・イン・チャイナ」は今や世界中のあらゆる製品の大半を占めており、これは中国人にとって中国製造業の実力を世界に誇示する事実として捉えているようだ。かつての中国に大量に存在した豊富な労働力と人件費の安さは先進国のメーカーにとっては非常に魅力的なもので、多くの企業がこぞって中国に進出し、それによって中国の製造業も大きな発展を遂げた。

 しかし、中国の急速な経済発展によって人件費も上昇し、製造拠点を中国からアジアの他の国へと移転させる外資メーカーが相次いだ。記事は、ここ数年で「15カ国、およそ500を超える大手メーカーが中国から撤退し、残る外資メーカーもその規模を徐々に縮小させている」と指摘した。

 特に日系企業の撤退の勢いはここ数年衰えることがないと指摘。日系企業の工場は多くの中国人を雇用し、中国人労働者に安定した給料を提供してきた。日系企業が工場を設置していた中国の地方都市に大きな経済効果をもたらしたことを考えれば、工場の移転や企業の撤退が中国経済に与える影響は小さくない。

 記事は「中国経済は現在、外資撤退という大きな問題に直面しているのは事実」だと指摘する一方、外資メーカーが工場を移転させている東南アジアでも近い将来、人件費が上昇するのは間違いないと指摘。また、現時点で人件費を抑えることができても、新しい市場で一から基盤を築き上げるのは困難なことだと指摘し、中国から工場を移転させるということは「中国でこれまで整備した複雑なサプライチェーンや育てて来た優秀な人材を手放すことを意味する」と主張し、日系企業をはじめとする外資企業は中国にとどまるべきとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)