日本経営管理教育協会が見る中国 第544回 ――磯山隆志

◆全行程を自動化

 11月10日、中国でアリババに次ぐ2位の大手ECサイト「安東商城(JD.com)」を運営する京東集団が、中国初となるロボットレストラン「京東X未来レストラン」を天津市にオープンしたと発表した。このレストランは注文からは以前までの全行程をロボットが全自動で作業する中国で初めてのレストランという。

 広さは約400平方メートルで100名まで収容可能であるとされる。5台のロボットが40種類の料理を調理し、完成した料理は配膳ロボットによって顧客の元に運ばれる。

 具体的には、まず、来店した顧客はテーブルに設置されたQRコードをスマートフォンにダウンロードしたアプリで読み込み、料理を注文すると同時に会計を完了させる。注文が入ると自動的に5台ある調理ロボットに振り分けられ、プログラミングされたレシピに基づき調理される。これらのロボットは1名のスタッフが管理しているという。配膳ロボットはできあがった料理を自動運転とマッピング技術により、障害物を回避しながら最適なルートで配膳する。

◆無人・自動化事業をめぐり競争が激化

 京東集団は隣に3件目となる無人スーパーを同日オープンし、無人配送車の運用も開始しているという。ロボットレストランを通して、AI技術と飲食業界の融合を目指すとともに、飲食、小売、物流を組み合わせたビッグデータを活用し、スマートシティを実現するとしている。さらに中国以外の国での展開も検討しているという。

 10月25日にはパナソニックが、中国、米国、日本などで火鍋レストランを展開する中国大手外食チェーン「海底撈インターナショナルホールディングス」と、ロボットを使った配膳作業などを自動化する「スマートレストラン」事業を行う新会社を設立との報道があった。このレストランでは注文に合わせてロボットが火鍋の材料を集め、配膳するという。また、皿にはRFIDをつけ、盛り付けた時刻などを管理するという。

 人手不足を背景にあらゆるところで自動化の動きが加速している。飲食業では、人よりも標準的で間違いのない一定の品質が保たれた料理やサービスに、メリットを感じる層もいると思われる。今後もAIとロボットをめぐる世界的な技術競争は続くであろう。この市場でどこが覇者となるのか注目される。(写真は、新宿のロボット・レストラン。提供:日本経営管理教育協会)