スマートフォンブランドOPPOの創業者兼CEOであるトニー・チェン(Tony Chen)氏(写真)は、11月27日に深センで開催したイベント「2018 OPPO Technology Exhibition」で講演し、2019年の技術開発投資額を前年比150%増となる100億元(約1634億円)に引き上げることを表明した。5G(第5世代移動体通信)やAI(人工知能)への投資を加速し、「IoT(モノのインターネット)時代の消費者からの厳しさを増す要求に応える」と宣言した。

 トニー・チェン氏は、「5Gは、OPPOが採用しなければならないトレンド」と語り、2019年に世界で最初に5G対応スマートフォンを市場に投入するメーカーになると語っている。OPPOは、2015年に、世界に先駆けて5Gチームを編成し、5G規格の初期段階で研究開発を開始。2017年12月に5G規格が確定すると、速やかに5G製品の開発に投資した。2018年8月には5G信号、および、データリンクの相互運用性の実現で先行し、10月には最初の5Gスマートフォン接続を実現した。

 そして、AIについては、「AI技術のメリットは、5G時代になってこそ実現する。OPPOにとってAIは機能であるだけでなく考え方であり、AIの開発展望は、とても広大だ」と語り、AIを利用してユーザーの習慣を継続的に学習するOPPOのスマートフォンは、より優れたサービスと、よりパーソナライズされた体験を積極的に提供するとしている。

 最後に、「将来的にはスマートフォンは、インテリジェントなパーソナルアシスタントになるだろう。それこそが、OPPOが実現を目指しているものだ。スマートフォンは、AIの最高の入れ物の1つだが、まだまだ大きな発展の余地がある。OPPOは人工知能を積極的に導入すると同時に、最先端のAI技術とアプリケーションに注意とリソースを払い続ける。将来、OPPOは技術革新をアートや人間性と完全に統合し、スマートフォンを中心にスマートデバイスやスマートホームを開発する。基本となる使命は、より良い生活を求める人々の期待に応え続けることだ」と締めくくった。

 OPPOは中国国内で第2位(2017年)のシェアを有する大手メーカーで、アジアNo.1、グローバルで4位に位置づけられる。ただ、中国国内のスマートフォン市場は、2017年に年間出荷量でマイナス12.3%成長となり、2018年になっても市場の低迷を脱していない。2018年7月~9月まで6四半期連続で前年割れの実績になっている。スマホの普及が一段落し、買い替えサイクルが長期化したことが、中国国内での新製品への需要の低迷につながっているとみられている。

 中国のスマートフォンメーカーで最大手のファーウェイ(華為技術)をはじめ、シャオミ(小米科技)、OPPO、vivoなどは、国内需要の低迷を受けて、海外市場での拡販を志向し、世界トップのサムスンのシェアを奪っている状況だ。しかし、海外展開の余力がない中小メーカーは国内市場の低迷によって業績が急激に悪化し、業界再編が避けられないとみられている。

 最終的に生き残るのは、ブランド力や技術力に優れた限られたメーカーになるとみられているだけに、先行する大手でも研究開発投資で後れをとってはならないところだろう。OPPOの野心的な投資計画は、グローバルな開発競争に後れをとらないという決意の表れといえる。(写真は、「2018 OPPO Technology Exhibition」で講演するOPPOのトニー・チェン氏。提供:OPPO Japan)