中国では現在も「抗日ドラマ」が放映されている。誇張された描写に呆れつつも、抗日ドラマを視聴している中国人は少なくない。中国メディアの今日条頭は24日、抗日ドラマが今も中国人に人気となっていることを認めつつ、実際に戦争を経験した中国の老兵の声を紹介し、「抗日ドラマの内容に騙されてはいけない」と訴える記事を掲載した。

 日本を訪れる中国人観光客の数が毎年過去最高を塗り替えているように、かつての日中関係からすると両国の距離は近くなり、特に中国人が日本に対して抱く感情は大きく変化してきている。しかし、中国の農村を襲う旧日本軍を中国兵が奇想天外な方法でやっつけるというストーリーの「抗日ドラマ」は今でも放映されている。

 記事は、「過去に生じた戦争がもたらした残忍な行為を歴史の事実として認識することは重要であり、苦境のなかでも生き抜いた中国兵の精神を忘れてはならない」と主張。本来、抗日ドラマは正しい歴史認識を伝える役割を果たすべきであるが、現在は娯楽の要素が非常に強くなっていると指摘し、さらには「中国兵に対する尊敬に欠け、当時の中国が経験した苦難を軽視する描写が増えている」と主張した。

 また、抗日ドラマの視聴率を上げるための演出や描写がますます過激になっていることを強調し、英雄化された中国兵が「素手で人を引き裂く」、また、「死んでも甦る」など、描写がありえない領域に入っていると批判した。

 続けて、実際に戦争に参加し、旧日本兵と戦ったという中国の老兵が「自分はこれまで一度も抗日ドラマを見たことはない」と述べていることを紹介。なぜなら、「戦争は残忍なものであり、現代において面白おかしく描写される抗日ドラマの内容は中国人を騙すもの」だからだと指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)